第9章 敵陣の姫 第二章(裏:謙信)
★おまけ★
(殿・・・いくらなんでも・・・やり過ぎですぞ・・・)
兼続は、人払いをした一番奥の部屋で、止らない湖の声を聞いて居た
自分が人払いをした夕刻から、もう日が沈みだいぶ立つ
真っ赤な顔をした女中に、夕餉や湯の予定を聞かれ返答に困る
家臣達もとっくにこの声に気づき、頬を赤らめその場を去って行く
「あーぁ・・・湖ちゃん・・・壊されなきゃ良いけど・・・」
いつの間にか横に来た信玄が、深くため息をつき謙信の部屋の方向を見る
「・・・お止めすべきでしょうか・・・」
「やめときなさい・・・まぁ・・・いよいよになったら・・・仕留めるつもりで行くんだな・・・」
結局、朝方まで其処を動けぬまま兼続の世は明けたのだった
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★さらに、おまけ★
翌日、湖はどっぷりと眠り続けていた
そんな湖を謙信は、自室に留めて側から離れない
佐助は、その両者を見て大きなため息をつく
「なんだ」
素知らぬ顔で、謙信は佐助を見る
佐助は、わざと再度深いため息をついて見せた
「なんだと、聞いてるんだ」
「・・・謙信様のペースに合わせると、湖さんが壊れます。以降、自重してください」
「ぺーす?なんだそれは?」
「ほどほどにしてください。という事です」
(いくら抱いても足りない・・ほどほど等・・・)
謙信が、言うことを聞かないと悟ると佐助は
「湖さんを壊さないでください」
そう念を押した
「壊すつもりはない」
そう呟くと、湖の髪をその指で絡め取った
まだ暖かい昼の話である