第1章 タイムスリップ
話が始まるが湖にはちんぷんかんぷんで、内容が入ってこない
ただひとつだけ自分の関係ある昨夜の火事の内容だけは、なんとなく理解できた
自分が助けたのは織田信長
つまりは戦国時代で、聞き覚えが合った名前は豊臣秀吉、伊達政宗、徳川家康
ついで石田三成と明智光秀
歴史はさっぱりだが、名前くらいは学生時代の記憶がある
(でも、織田信長って本能寺の変で死んでしまうはず…あれ?!私、もしかしてとんでもないことをしてしまった…?)
「…湖」
(歴史変えちゃったとか…まさか…)
「湖」
考え事していた湖は、呼ばれているとこに気づかず
秀吉に頭をポンと叩かれ、はっとすると
全員の注目を受けていた
「湖、貴様は何度、俺に名前を呼ばせるきだ」
「あ、はっはい!」
ビシッと背筋を正すが、嫌な汗が流れそうになる
「まぁいい。こちらに来い」
「え?は、はい」
ひさしぶりの正座に足が痺れ動けずにいると、しびれを切らしたように信長が近づき持ち上げられる
そして自分の膝の上に湖を置いた
「っ?!だっ、やだ!離してください!」
「煩い、黙れ」
腰に回された手をほどこうとしても、うんともすんとも動かず
「これが、先ほど話した湖だ」
話を続けた
「この娘、猫の姿に変わる特異体質。他にも色々ありそうだが、俺を助けた悪運がある。よって、安土に織田家ゆかりの姫として置くことにした」
「へ?!」
これが、湖と鈴の始まりの物語