第7章 視察 (裏:謙信、政宗、家康)
その道は、常に説教であった
用意された着物を何も疑いをかけず着た
他国で一人でふらふら歩きすぎ
大名の誘いに、一人でついて行った
爆発の巻き添えになりそうだった
敵に好意をしめしすぎること
などなど…
最初は、心配かけたんだという気持ちと、
信長たちがこの国に入る前から疑い、そして想定通りのことが起きていたことに、さすが武将っという感心する気持ち
それで、言われたことは素直に「はい」と聞いていたが…
「大体、猫の分際で自分と同じ重さの爆弾を加えてどうにかしようという発想が間違えてるんだ」
「敵陣で、敵大将の肩に乗って、挙句の果てに口づけなんて…最悪だ」
政宗と家康の言うことを、もう半刻も聞けばうんざりしてきた
「政宗、家康、その変にしておけ…」
信長が口を挟む
「湖にも、もう伝わっただろう」
自分の前で政宗の羽織にぐるぐるにまかれて顔しか出ていない湖を見て、信長はいつも通りの不遜な笑み
「…伝わってます…十分に。。。だから、いい加減っ私に着物を着せてくださいっ!」
そう湖は、政宗に抱かれたまま…そのまま出たのだ
湖の部屋には、着てきた着物や荷物はなく、謙信が贈った着物だけが衣桁にかかって置いてあった
当然、そんな着物は着せてたまるかと政宗は湖をそのまま連れて帰ることにしたのだ
「仕方ないだろ、贈られた着物なんか着せられるか…」
政宗は、フンと鼻を鳴らすと信長の横に馬をつけ
「嫌なら、裸で帰るか」と付け足した
「っ絶対いやっ!!!!」
「なら、おとなしくしていろ。急げば、夕刻には着く」
そう信長が言ったか、言い切る前に馬はスピードを上げ走り出す
湖は目を閉じ信長にしがみ付いて居たので、それ以降は三頭の群れは安土目指して走るだけだった