万事屋よ永遠なれ・・・・私は存在し続けるけど? 銀魂
第3章 ・・・・ここどこ?
休む間もなく聞こえてくる銃声と、時々腹に響くような爆発音―――
そこは戦場だった。
もちろん攘夷戦争だ。天人の軍勢と、攘夷志士の軍勢の交戦中だった。
銃撃戦、白兵戦、銃弾の雨と剣先から放たれる火花のかなたに見えるのは、墜落した宇宙船だ。その頂上で、
「はああああ!」
刀を片手に、天人に斬りかかるのは、白夜叉、坂田銀時だ。
天人は菅笠のようなものをかぶり、マントをまとっている。厭魅、という名の天人のボスとの最終決戦だった。
厭魅の顔は包帯のような呪符が巻き付いており、隙間から覗く赤い眼はひどく不気味だ。
厭魅のボスは呪符で銀時を攻めたてていく。
銀時は、それを次々に回避する。が、そのうちの一つが腕を掠めて行った。血が飛び散り、厭魅のボスがにやりと口角を上げた。が、銀時は怯むことなく突進していく。気合いの声とともに刀を振った。
その刀は厭魅のボスの首を跳ねた。首は宙を舞い、地面に落ちる。厭魅のボスは動かない。赤い光も潰えていく。
銀時は膝をついた。肩で息をする。ダメージが大きかったのだろう。
しばらくすると何とか息を整えた銀時は、刀を地面に突き、立ち上がった。
骸に背を向け、歩き出す。仲間の所に戻るのだ。足が少しふらついた。全身に傷を負っていた。右手の甲には新しい傷が付いており、血が流れている。
血は、あとで止めればいい。戦いには、勝ったのだ。
銀時が立ち去ると、厭魅の頭部に異変が起きた。
赤い光が点滅し、首からは黒い霧のようなものが流れ出ている。
それは銀時の背を見つめながら、
「・・・・・・血濡れたその姿、まさしく白夜叉(オニ)よ」
厭魅のボスは呟いた。もちろん、その声は銀時に届く事はない。
「同胞を護らんがため、修羅の道をゆくか。だがお前のその禍々しき手は・・・・・いずれその腕に抱いた尊きものまで粉々に握りつぶすだろう・・・・」
厭魅のボスが笑ったように見えた。
「それが、鬼の背負いし業よ・・・・・愛する者も、憎む者も・・・・すべてを喰らい尽し・・・・・この星(セカイ)でただ一人・・・・・・哭き続けるがいい。―――白夜叉」