万事屋よ永遠なれ・・・・私は存在し続けるけど? 銀魂
第2章 始まり始まり~
映画館の暗がりの中、客席の中から姿を現したのは銀時だった。
銀時は盗撮用のカメラを片手に持ち、周囲を警戒した目で見回す。そして、後から続いて出てきたのは、頭がビデオカメラになっている人間・・・・ここでは映画泥棒と呼ぼう。
映画泥棒も銀時と同じように登場した。
二人は顔を見合わせ、「行くぞ」と声に出さず目と目で会話を成立させた。まるで長年付き合ってきた者達のようだ・・・・・・・・が、出会ったのは先程。
銀時が映画泥棒の頭を壊してしまい、銀時はその罪滅ぼしのためにこのようなバカげたことをしているのだ。
いざ!!という時に、三人の声と人が降ってきた。
『「「なんでお前まで映画泥棒してんだあああ!」」』
神楽と新八は最後列から、瑠維は銀時の2つ上の座席からつっこみながら飛び降りてきたのだ。
そして、銀時の上に立った新八のつっこみが炸裂した。
「いい加減にしろよあんたら!!この夢小説では違うけど・・・・原作でここだけでどんだけ尺とるつもりだ!マジでノーモアなんだよ!もうウンザリなんだよ!」
「いや、映画泥棒君にいろいろ迷惑かけちゃったんで、何か力になれないかと」
銀時が言うと、
『いやいやいや・・・警察の前でそんなことやってる時点で、映画泥棒君に迷惑かけてるでしょ!?いや、しかも迷惑かかってるの観客・・・・いや読者の方だから!!』
と真選組の隊服を着た瑠維が言う。
すると、いいですか、銀さん、と新八が落ちついた声音で話す。
「僕らの今日の仕事は映画館の見回りでしょうが!不審者とりしまるアンタが何やってんの!?」
だが銀時は舌打ちをし、ふてくされるように、
「見回りったってこんな場末の古い劇場、客なんていねーじゃねーか。つーか昼間から働きもせずこんなポルノ映画、タイトルなんだっけ?『アレ勃ちぬ』だったっけ?そんなもん観てる時点で全員不審者みてーなもんだろ」
「誰が不審者だコノヤロー!」
と、座席の方から声を上げたのは、武蔵っぽい人。客席には、定春と、酒瓶を手にしている長谷川の姿もあった。