万事屋よ永遠なれ・・・・私は存在し続けるけど? 銀魂
第6章 原因と正体
――――――こうなったのが五年前・・・・・・
――――――てことは、俺らがいた世界に、もうすぐ同じことが・・・・?
信じられない。だが、現実に起きたのだ。起きたからこそ、今こうなっているのである。
「何もかもすっかり変わってしまった」
神楽が言う。
「あんなことがなけりゃ、今頃銀ちゃんもそこでアホ面ぶら下げてハナクソほじってたかもしれないわね」
アホ面は余計だろ、と言いかけて、銀時ははっとした。それは瑠維も同じだった。
「おい、あんなことってな、どーいうことだ?まさか俺、いや銀さんも白詛にやられ――――」
「銀ちゃんがウイルスなんかにやられるタマなわけないでしょ」
神楽が即座に否定した。
『じゃあ、どうして?』
「銀ちゃんは白詛が広まる前に私たちの前から姿を消していたのよ。でも、私たちは心配していなかった。――――またどこぞで飲み歩いてんだろ、そのうちブラリと帰ってくんだろうって、その時は思ってた。――――このメモ帳を見つけるまではね」
神楽は手に持ったメモ帳を開いて差し出した。瑠維は神楽の後ろからそれを覗き込んだ。
『ナノマシンウイルス?』
瑠維は書いてあった言葉を読み上げた。
「銀ちゃんは白詛が広まる前にその存在を知ってた。そしてそれが自然発生したウイルスではなく、ナノマシンウイルスであることも」
「そいつはつまり・・・・・」
銀時の言葉に神楽は頷いた。
「つまり白詛は人為的に作られたウイルス。それがどういう意味かわかる?―――――この世界は、何者かの意思によって破壊されたってことよ」
最後の一言には神楽の怒りがにじんでいた。
「銀ちゃんは、どこからかその情報をいち早く手に入れていた。そしておそらくそれを阻止しようと一人で動いていた。多分・・・・・私たちを巻き込むまいとね」
『じゃあ、まさか銀さんは・・・・・』
「今の世界の状態を見れば、銀ちゃんがどうなったかは明らかでしょ」
神楽は険しい表情で二人に告げた。
「ナノマシンウイルスというメモを残した銀ちゃんは、黒幕にあと一歩のところまで迫っていた。けど、その途中で・・・・その途中で・・・・・」