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万事屋よ永遠なれ・・・・私は存在し続けるけど? 銀魂

第6章 原因と正体


銀時がデスクの表面を指でなぞると、埃がついた。デスク以外の家具はすべて片づけられており、室内はだだっ広くなっていた。

住人の・・・・・主のいない万事屋の事務所だった。入るときに見たが、看板は外され、玄関のわきに立てかけられていた。

「聞きてーことがある」

銀時は指についた埃を息を吹きかけとると、そう呟いた。
背後の壁に寄りかかっている神楽への言葉だった。

「白詛って、いったい何だ?江戸に何があった」
「白詛は、五年前、すべてを変えてしまった元凶」

銀時の方を見ることなく神楽は言葉を重ねていく。

「江戸を一瞬にして突如世界中に爆発的に広まった・・・・・殺人ウイルス」
「ウイルス・・・・・」
「感染者は半月を待たずに確実に死に至る。対処法は一切なし、発生源も感染経路も不明。病院には患者が溢れかえり、未知の死病に縊死はパニックになった。全身の毛髪から色素が抜け落ちる―――――その症状から、白い詛い、白詛と恐れられる謎のウイルス」

白詛。とらえどころのなかった、ただ響きだけはまがまがしいその言葉が、今はもう、はっきりとしたイメージとして銀時の脳裏に広がる。

「唯一白詛から助かる術は、逃げることだけ。だから金のある奴はこの地球を捨てていった。その結果、残ったのは、行くあてのない貧しい連中と、これを機に政府を崩壊させようとする攘夷志士や、法のゆるみを利用するゴロツキども。あとは―――――」

そこで神楽はふっと笑った。

「あとは、ケツまくって逃げんのが性に合わない頑固者たちだけってワケ」
『国は?』

後ろからした声に神楽と銀時は振り返る。玄関には瑠維が立っていた。先ほどとはうって変わり、しっかりとした顔つきになっていた。

『政府はどうなったのよ?』

神楽はかぶりを振った。

「今じゃ形だけの暫定政府はボロボロ、治安は悪化する一方。かつての繁栄の象徴、ターミナルもあの通りよ」

神楽はそう言うと、玄関の方に視線を向けた。
瑠維の入ってきた玄関は開いている。そしてそこから見える。先端部分がぽっきり折れてしまったターミナルが。

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