第2章 親しみと違和感
太陽の下
朝ご飯を食べ終わって、西谷さんが食器を下げてくれてから少しして山口さんがレストランのドアから顔を覗かせた。
「あ、いたいた。天崎さん、洗濯終わりましたよ。菅原さんが運んでくれてるんで外に行きましょう。」
「はい、呼びに来てくれてありがとうございます。」
私は立ち上がって山口さんの所まで行き、それから並んで歩いて、ランドリールームに入った。
「あれ?外に行くんですよね?」
「あぁ、そこのドアから外に出れるんです。出たらすぐ洗濯干し場なんで。」
「へぇ、ちょっと楽ですよね。」
「えぇ、シーツとか大きいもの多いんで。……さ、出ましょう。」
「……?はい…。」
今の少しの間は何だろう?
そう気になったけど聞く前に山口さんはドアを開けて外に出ていて、私も慌てて後に続いた。
「……あー…良い天気ですね…。」
「昨日の嵐が嘘みたいですねぇ。」
「お、山口呼んで来てくれてありがとなー。」
「菅原さん、お待たせしました。」
「いーえ。ご飯は美味しかったですか?」
「はい、凄く!…あの、その量をこれから干すんですか?」
その量、と私が言ったのはタオルやシーツ、テーブルクロスなどなどが籠に山のように積まれた状態のことで。
「あぁ、はい。でもいつもこんなもんですよ。…あ、天崎さんのはあっちに分けてあるんで。」
「ありがとうございます。…………あの、良かったら私もお手伝いして良いですか?」
「えっ、良いんですか?!」
「いやでもお客様に手伝ってもらうのは悪いし…。」
「で、でも、私、お金払ってないですし!……澤村さんは気にしなくて良いって言ってくれましたけど、何もしないでいるのは心苦しいのでお手伝いさせてもらえるとありがたいなぁって……。」
駄目でしょうかと菅原さんの顔を伺うように見ると、彼はうーん…と言いながら頬をかいた後、ニッと笑った。