HAIKYU! ! - Valentine 2.14 HQ
第4章 × 山口忠
《side 忠》
「ツッキー、本当に大丈夫かな?」
「大丈夫だって言ってるでしょ。」
「いや、でもさ…。」
二人で映画に行くと決まって俺はテンパっていた。
昔から、俺と真由ちゃんを見てきたツッキーは
「真由も山口のこと好きだって。」
なんて、適当なこと言ってる。
「もうさー。めんどくさいから早くくっつけばいいと思うわけ。」
「何で?!なんでだよツッキー!!」
「見るからに相思相愛だからだよ。」
どこから、その自信がくるんだろうか。
「と、とりあえず、真由ちゃんのクラス行って時間決めてくる!!」
俺は平常心、平常心、と心で言いながら真由ちゃんのクラスへと足を運んだ。
「真由ちゃん、日曜日なんだけど、一緒にランチしてから映画見よ~。」
「うん!いいよ!」
「じゃあ、11時30分に迎えに行くからね。」
「わかった!待ってるね!」
笑顔で答えてくれる、真由ちゃんに安心した。
じゃあ、と真由ちゃんのもとを離れると、真由ちゃんに話しかける子がいる。
何の話してるんだろう、と聞き耳を立てる。
「真由ちゃん、山口くんと付き合ってるの?」
「え?付き合ってないけど…?」
「あ、そうなんだ、日曜日に出かけるみたいだったからてっきり、ほら、バレンタインじゃん?」
「いや、もう、本当、偶然だから!!付き合ってるとかじゃ、全然ないから!!」
全力で否定してるし。
俺はいたたまれなくなって足早に自分のクラスへ戻った。
「何?どうしたの?」
見るからにへこんでる俺にツッキーが声をかけてくれる。
「なんでもない。」
「あっそ。」
本当、ドライ。ツッキーはドライだよ…。
でも、自分の口から言うのはちょっとつらい。
でも、バレンタインか
ちょっと、この機会に、告白しようかな。
ふたりで出かけるチャンス、そうそうないし。
脈があるとは思えないけど…。
言うことが大事な気がする。
言おう、決めた、言おう!!