第2章 訓練兵
マーレ「ユリア。」
ユリアに制止をかける声が聞こえた。
ユリア「でもさ、マーレ。」
マーレ「・・・俺は、ユリアのような言い回しは出来ないが、言わせてもらおうかな。」
ミカサ「・・・。」
マーレ「今のお前には、エレンを護れるだけの力はない。せいぜい自分を犠牲にしてエレンのために喰われて死ぬんだな。」
ミカサ「!ま・・・!」
マーレはその後、ミカサの方に視線を向ける事なくエレンとアルミンを抱えて階段をのぼっていく。
ユリア「・・・あちゃー・・そっか、今日あの日か。」
ミカサ「・・・。」
ユリアがちらりとミカサを見ると、明らかに沈んだ空気を醸し出すミカサ。
ユリア「・・・ミカサちゃん、あのね。」
ミカサ「・・・?」
ユリア「マーレは、ミカサちゃんの心配をしてるんだよ。」
ミカサ「私の・・・?」
ユリア「そう。エレン君とアルミン君の事もだけどね。・・・ミカサちゃん、エレン君を護るためなら何でもするでしょう?」
ミカサ「当たり前。もう、家族を失いたくない。」
ユリア「それ。」
ビシッとミカサに指を指すユリア。
ユリア「ミカサちゃん、それはエレンくんを護るためなら命を落としても構わないって事だよね。・・でも、そんな事エレン君は望んじゃいないと思うよ。ミカサちゃんがエレン君に死んでほしくないように、エレンくんもミカサちゃんに死んでほしいなんてこれっぽっちも思ってないと思うし。」
ミカサ「・・・!」
ユリア「残された側はね、残す側よりもよっぽど苦しいんだよ。身近な人であればなおさらね。」
ミカサ「・・・私・・。」
ユリア「マーレは、賢いけどうまく表現できない人だから、あんなに口が悪いけど、でもミカサちゃんの事は嫌いじゃない。じゃなきゃ、こんな事も言わないからね。・・・後でお話ししないとね?」
ミカサ「・・・わかった・・。」