第11章 壁外調査
ユリア「誰も仲間が死んで嬉しい人なんていない。自分のすぐ後ろで殺されて、何も思わない連中なんているわけがない。それは人間じゃない。・・・エレンはこの班の人間が、人間じゃないって言いたいの?」
エレン「そんな事・・・!」
ユリア「エレン。落ち着きなさい。そうやって叫んでいるだけではこの現状は変わらない。言うだけ言って何もしない人間は大嫌いだ!!」
エレン「!」
ユリア「そんなに戦いたければ巨人化できるんだから巨人になって戦えばいい。自分の力だけを信じて、戦えばいい。」
ペトラ「!ユリアさん!!!?何を言って・・・!!」
ユリア「調査兵団を信じないで、己の力を信じ込んで、戦えばいい。」
そう言われて、ハッとして自身の手を見るエレン。
ペトラ「エレン!それが許されるのは、貴方の身が危険になった時だけ!!私達と約束したでしょう!?」
しかし、エレンはその言葉に耳を向けず、噛もうとする。
ペトラ「エレン!!・・・信じて・・!!」
リヴァイ「エレン。やりたきゃやれ。」
エレン「・・・!」
リヴァイ「俺には分かる。コイツは本物の化け物だ。巨人の力とは無関係にな。」
リヴァイのいうコイツとは、エレンを指差すのかとユリアは驚いた。
リヴァイ「どんなに力で押し込めようとも、どんな檻に閉じ込めようとも、コイツの意識を服従させる事は、誰にも出来ない。・・・マーレ以外、きっとな。」
エレン「・・・!」
リヴァイ「エレン。俺達とお前の判断の相違は経験に基づくものだ。だがな、そんなもんはアテにしなくていい。選べ。結果は誰にも分からなかった。・・・だから、精々悔いの残らない方を自分で選べ。」
そう言い切ると、リヴァイはユリアを呼ぶ。
ユリア「何。」
ベシッと頭を叩かれたユリア。
ユリア「痛いっ!!何すんのさ!!」
リヴァイ「お前は余計な事をするな。」
ユリア「余計って何!私は思った事しか言ってない!」
リヴァイ「・・・感謝する。」
ユリア「・・・!」
ボッとユリアの顔が一気に赤くなった。