第8章 救出
目を覚ますと、視界に入って来たのは石の天井だった。
むくりと起き上がって、自分の状態を確認する。
右肩損傷。左腕に深めの切り傷。内臓はやられてなさそうだけど、怪我は多数。足は・・・やっぱ撃ち抜かれてるか。
ガチャッと部屋に誰かが入って来た。
「やぁ、おはよう。目が覚めたみたいだね、ユリア。」
ユリア「・・・ハンジ分隊長、あれからどれくらい時間が経ちました?」
ハンジ「そんなに時間は経ってないよ。翌日の早朝だ。」
ユリア「・・・そうですか。しばらく私は歩き回れないですね。」
ハンジ「・・・痛く、ないのかぃ?」
ユリア「・・あの頃の方が、もっと痛かった。」
そう言って、どこか遠くを見ているユリア。
ハンジ「・・・さ、お腹空いてない?一応消化のいいものを持ってきたんだ。」
ユリア「・・マーレは?」
ハンジ「・・・暴行を受けてたのか傷が多かった。でも、それ以上に栄養失調が問題でね。」
ユリア「・・そう。」
ハンジ「それと、彼に付けられてる手錠もまだ取れてないんだ。あれ意外と固くてねぇ。」
ユリア「・・・寝てる?」
ハンジ「うん。しばらくは絶対安静だって。」
ユリア「・・他の、皆は?」
ハンジ「誰も怪我してないよ。ペトラもね。エルヴィンとリヴァイが昨日の事で王都に呼ばれたくらいかな。」
ユリア「・・・。」
ハンジ「皆に会いたい?」
ユリア「・・大丈夫。ただ、これからどう生活しようかと思って。」
ハンジ「・・・あ、そうか。足動かすと痛いよね。・・・新兵は本部に返してしまったし、私もずっとはここにいれないからね・・。エレンにお願いしておこうか?」
ユリア「・・・困ってから、で、いい。」