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人外王の花嫁

第2章 悪魔の王


「、焦らずとも良い。落ち着け」

アダマンド様の低くて優しい声が響いた。それに促されるように私は強張った体の力を抜いてアダマンド様に抱きついた。
アダマンド様は嫌がることなく、抱きついてきた私の涙で濡れた目元を舌で舐め上げた。次いで頬に唇を押し当て、その次はこめかみ、首元と優しくキスを落としていく。何度も何度も飽きずに触れる唇。
私が擽ったさに我慢できず小さく笑うと、アダマンド様が安心したように笑った。

「そなたは笑っている方が良い」

アダマンド様が私を抱えたまま、ゆっくりと歩き出す。出来るだけ揺らさずに、私を怯えさせない様にと気を遣ってくれているのが解って、嬉しくなった私はアダマンド様の肩口に頬を擦り寄せた。

「言ったであろう、そなたに無体は働かぬと。そなたの準備が出来るまで私は待とう」

ギシリと音を立ててベッドに腰を下ろしたアダマンド様は、彼の膝に腰かけた私の手を取ると誓うようにその甲へと唇を押し当てた。その優しさに私の心が暖かくなる。

「今日は私をそなたの中には入れぬ。ただ、そなたを気持ちよくしてやろう」

そう言うと、アダマンド様は私の胸元をゆっくりと撫で始めた。薄いネグリジェの下に有る私のささやかな胸がアダマンド様の手によって形を変える。

「んっ…アダマンドさま…」

「、痛くはないか?」

気遣うように問われて私は小さく頷いた。

「そうか、ならこれはどうだ?怖くないか?」

ネグリジェをたくし上げたアダマンド様は、私の胸に直接触れてきた。彼の手の冷たさに体が震えた。下着は元からつけていない。身を清めた後に用意されていたのはこの薄くて透けているネグリジェ一枚だけだった。

「っ、はい、怖く、ありませっ、んン」

私の胸を包むようにして動くアダマンド様の手のひらに私の立ち上がった乳首が時々擦れて、そのもどかしさに息を飲んだ。

「あっ、あ…」

それに気付いたアダマンド様が乳首を摘まんで指の腹で転がした。転がし、引っ張って私の反応をうかがっている。ゾクゾクとした感覚に背筋が震える。

「ふっ、んッ、ぁ…」

「ふふっ、そなたは感じやすいのだな」

嬉しそうに笑ったアダマンド様が私の首元に鼻を押し当てて来た。そしてそのまま大きく深呼吸する。昼間にも同じ様な事をされたなと思い出した。
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