第3章 獣の王
お腹が重い。
食べ過ぎ…では無いと思うのだけれど、何だか体も熱くて力が入らない。頭も何だか霞がかってはっきりとしない。まだだるくて寝ていたいのだけれど、体がベタベタしてお風呂に入りたい。
私は目を開けた。目を開けたのに、何だかまだ夢の中に居るみたいな心地良さに浸っている。
「、起きたか?」
「ぁ…」
後ろから声が聞こえて、振り返ろうと体を捩ったら下腹部がジンと痺れて気持ち良かった。私の中に大きなものが埋まってる。それが私に快感を与えてくれているのだ。
「?」
心配そうに覗き込んで来るのはラウルフ様だ。未だに自身の高ぶりを私に埋めたままのラウルフ様が動く度に、ムズムズする中が擦られて気持ちが良い。
ラウルフ様が耳元で私を呼ぶ声にすら震えてしまう。
「あっ、はぁ…」
身動ぎをすると、ゴポリと結合部からまたヌルヌルとした液体が零れた。そして零れて空いた空間を塞ぐように、また新しい熱い液体で満たされる。
──気持ちいい。
私はラウルフ様に擦り寄った。ラウルフ様の喉が鳴る。
「、お前、そんな色っぽい顔して…」
興奮したラウルフ様が私に口付けようとしたところで、扉がバーンと遠慮なく開いた。
「ラウルフ様!様!おはようございます!素敵な朝で……きゃあぁぁ!」
真っ赤になったサナの悲鳴を夢現で聞いていたのだった。
「で、何でこうなってるんだ?」
「知るかよ…ってか、見るなシーザー!」
ラウルフ様のものを埋めたままでグッタリと座るラウルフ様にもたれ掛かったまま、シーザーさんとラウルフ様の話を聞いているのだけれど内容が頭に入ってこない。
ベタベタした体は、サナが用意してくれた濡れた布でラウルフ様が清めてくれた。
「普通だと射精された雌は熱が冷めて距離を取りたがるもんだろ。それを宥めて腹を満たすのが普通じゃ無かったのかよ?」
「いや、そのはずなんだが…」
結合したままでは服を着れないので、ラウルフ様が布を巻いて隠してくれている。
「んっ」
僅かに動いたラウルフ様の与えてくれる快感に息が漏れた。
「あんっ、ラウルフ様、うごかな、でぇ…」
「っ!」
甘い声にラウルフ様とシーザーさんがゴクリと喉を鳴らした。直ぐに我に返ったラウルフ様が慌ててシーザーさんを部屋から追い出したのだった。