第3章 獣の王
「グルル…」
私はラウルフ様を抱きしめたままに目を閉じた。ラウルフ様のお日様の匂いが私を包んでいる。
「ラウルフ様、好き」
「グル、ル…」
もう一度口にすると興奮に荒い呼吸をつき、逆立っていた毛並みが落ち着いてくる。そしてラウルフ様がおずおずと私の肩から牙を引き抜いた。
「っ!」
痛みに耐えながら、私はラウルフ様を待った。ラウルフ様は自分の噛んだ場所を目にすると、そこに舌を這わせ始めた。癒すように、優しく、優しく舐める。
「…、悪い。俺…っ」
ラウルフ様が私を力いっぱい抱き締めた。そのラウルフ様の瞳には何時もの理性の光が戻っていた。
「を抱いて、嬉しくて…離したくねぇ、盗られなくねぇって思ったら、何か頭に血が上って…」
ラウルフ様に応えるように、私は頬を擦り付けた。
「そしたら急に腹が減って腹が減って…でも、お前の言葉を聞いた途端に、満たされてさ、空腹がどっかに消えちまった」
ラウルフ様が私の顔を覗き込んだ。私はラウルフ様の言葉を聞いて嬉しくて笑った。
「ラウルフ様、好き、ですよ?」
「あぁ、俺も好きだ」
視線があって二人して恥ずかしくなって笑うと、自然と近付いてキスをした。そして舌を互いに絡ませながら、ラウルフ様がゆっくりと動き出す。
「んっ、ふっ…」
ドロドロに濡れた中を掻き回される。ラウルフ様が動く度にグチュングチュンと濡れた音が響いてそれにまた煽られる。
「あっ、あぁッ」
「っ、く、お前の中に俺の種を注いでやるッ」
ラウルフ様が私の足を持ち上げると、もっと結合を深くしようと私の体を折り曲げるようにしてのしかかってきた。
「あっ、やっ、奥っ…」
擦られた膣は既に痛みは無くて、ただ熱と快感だけが体の中を支配していた。
「あぁ、奥だ、奥にたっぷり、俺のを出してやる!」
「あぁッ、あ、ラウルフ様、ラウルフ様ッ」
ラウルフ様のもので中を掻かれて、ゾクゾクと背筋が震える。私の子宮が、与えられる快感にまだ足りない、物足りないと訴える様にラウルフ様のものを締め付けた。
奥を何度も突かれて、限界に視界が点滅した。
駄目、イッちゃう!
「お前は、俺のもんだッ…くッ!」
「あぁぁぁっ!」
ラウルフ様が高ぶりを一番奥に挿し込むと、達した私とほぼ同時に私の中へドプリと熱を吐き出した。