第3章 獣の王
「きゃあ!」
ヌルンと滑るようにラウルフ様の高ぶりの一番太い部分が私の中へと入った。僅かな痛みに私の手はラウルフ様を求めて宙を掻いた。
「入った…っ、悪い。痛かったか?」
痛いよな、と気遣うように声をかけながらラウルフ様が体を倒してくれた。私はラウルフ様に手を回して抱き着く。フサフサして柔らかくて暖かくて、安心する。
「ひっ、はぁ、だいじょぶ、です」
出来るだけ心配をかけたくなくて、笑って見せたのだけれど高ぶった感情のためか涙が零れてしまった。ラウルフ様は困ったように笑うと、ペロリと私の涙を舐めた。
「お前の中、すげーキツい。ヌルヌルして気持ちイイ。それに…」
ラウルフ様がギュッと抱き締めてくれる。
「この体勢はたまんねーなぁ」
そう言ってラウルフ様が私の顔を覗き込んだ。そしてズズッとゆっくり奥へと進み始めた。
「あっ、ああっ」
さっきので全部中に入ったのだと思ってたのに、まだ奥に入るの?ジリジリと気遣うように進んでくるラウルフ様。私が痛みを感じて体が強ばったりすると暫く動きを止めて根気よく待ってくれる。
「あっ、はぁ、ラウルフ様、まだ、ですか?」
「ん、後半分位だ」
まだ半分しか入っていないと聞いて、私はラウルフ様にすがり付いた。ラウルフ様に無理矢理された時は訳が分からなくて痛いだけだったから、余り覚えていないのだけれど、今はゆっくりと進んでくるラウルフ様のものに、より大きさとか硬さとか形とかが分かってしまう。
「入りましたっ、か?」
「っく、まだッ」
本当に全部入るのだろうかと不安になってしまう。
「ま、まだ、ですか?」
「ん、もうちょい…ッ」
ギュッと目を閉じていると、ラウルフ様の動きが止まった。そして褒めるように私の髪に口付けて頭を撫でてくる。
「良く頑張ったな」
「全部入りました、か?」
「あぁ、入った。最高に気持ちイイ」
「…良かった。ラウルフ様が気持ちいいなら私は嬉しい、です」
ラウルフ様のものが中に入ってる。私が下腹部を撫でながら嬉しいと口にすると、ラウルフ様の喉がまたクルルと鳴った。そして「そんなに可愛い事を言うな馬鹿」と怒られてしまった。