第3章 獣の王
中を舐めていた舌がズルリと抜けた。私は肩を揺らして荒い呼吸をついていた。
「ぁ、はぁ、はぁ…ラウルフ様…」
ラウルフ様が私を見下ろしてゴクリと喉を鳴らした。目の端に写ったラウルフ様のものは、膨張して反り返り腹につくほどに勃起していた。
「ラウルフ様の、下さい、欲しい、です…」
「っ!」
ラウルフ様がグッと何かを堪えるように歯を噛み締める。でも堪えきれない感情に尻尾が揺れて喉がクルルと鳴っていた。
「なら、四つん這いに…」
「あの、このままじゃ、駄目ですか?」
ラウルフ様が私が言ったことに目を瞬いた。
「このままって、このままでスるのか?」
「はい。だって、このままの方がラウルフ様のお顔が見れますし、抱き締められます、から…あの、駄目ですか?」
体位のお願いとか恥かし過ぎる。でもどうしても向かい合ってしたくて頑張ってみた。頬を染めてお願いすると、ラウルフ様は戸惑いながらも頷いた。
「構わないが…この体勢は初めてでな。その、良く分からんかもしれんぞ?」
獣人は四つん這いでするのが普通なのだと聞いて驚いた。ラウルフ様が戸惑いながらも私の上へと覆いかぶさって来る。顔の横に手をついたラウルフ様を見上げた。
「良いか、俺が我を忘れたら直ぐにシーザーを呼べよ?いいな?」
「はい」
絶対だぞ、と真剣な顔で念を押すラウルフ様に笑ってしまった。本当にラウルフ様は優しい人。私は有り難うを込めて鼻先に口付けた。するとラウルフ様が照れたのを誤魔化そうと不機嫌な表情で視線を外した。その耳が嬉しそうにパタパタと動いてますよ、ラウルフ様。
「こう、か…」
「んっ…」
ラウルフ様が高ぶりの根元を支えて、先端で私の入り口を探る。ヌルヌルと先っぽで擦られて体が震えてしまった。その先が私の入り口に辿り着き、そこで動きを止めた。
胸がドキドキする。緊張と不安と、でも嬉しさと期待も有る。
「ゆっくり、行くからな?」
「はい、っ、ん、ぅウ!」
ゆっくりと体を進めるラウルフ様。入った辺りは、このまま行けるかもしれないと思ったのだけれどそれは大間違いで。一番太い部分が引っ掛かってそれがなかなか入らない。
「っ、く、うぅ…」
「悪い、ちょっと我慢、な?」
ラウルフ様は私の腰を掴むと、勢い良く高ぶりを突き入れた。