第3章 獣の王
ラウルフ様は凄いジャンプ力でお部屋のある階まで登ってしまうと、空いている部屋から中に入った。そして最短ルートで部屋に辿り着くと、お部屋の掃除をしていたメイドさんを追い出して私をベッドへと下ろした。
「っくそ、の服はどうなってんだ!」
ラウルフ様が私の服の紐を外そうとしたのだけれど、なかなか上手く行かないみたい。私はラウルフ様の手に自分の手を重ねてから、自ら紐を外した。
「情けねぇな、すげー焦る…」
肩を竦めるラウルフ様が可愛くてつい笑ってしまった。
「私も、凄くドキドキして緊張してます」
お揃いですね、と言うとラウルフ様の表情が優しく緩んだ。
「…俺、お前を大事にする」
不意に手を掴まれたかと思うと、真剣な眼差しを向けられた。
「だから…俺の嫁になってくれ」
私はラウルフ様の言葉に驚いた。まさか、そんなことを言って貰えるとは思ってなかった。
小さい頃から私は王様の子供を産むのが当たり前だと思っていたから、改めて請われる様に言われて、あぁ、私はきちんとこの人の奥さんになれるのだなと思えた。
ラウルフ様の言葉に胸が震えて思わず涙ぐむ。
「っ、はぃ、はい!宜しくお願い致します」
私はボロボロと涙を流しながら精一杯の笑顔を向けた。ラウルフ様が照れたように鼻を鳴らして笑う。私は堪らずにラウルフ様の鼻先に口付けた。
「馬鹿、こっちにキスしろよ」
ラウルフ様の長い舌が伸びてきて私の唇を擽る。私は口を開けてラウルフ様の舌を招き入れた。
「ん、んむっ」
長くて大きな舌が口内を這い回る。
「っ、はぁ、んっ…」
私も必死に自分の舌を擦り付けてラウルフ様の口付けに応えた。ラウルフ様の手が先程まで触れていた下腹部に伸びてくる。足を割り、割れ目をなぞられるとヌルリとした感触がした。
「よしよし、濡れてんな」
満足そうにキスの合間に口にしたラウルフ様が、今度は頬をべロリと舐め上げた。
「で、。飯はちゃんと食ったか?」
「はい、しっかりと食べました。美味しくて食べ過ぎた位です」
「そうか、なら何とかもつか…」
何故そんな事を聞かれるのだろうと不思議に思ったのだけれど、このラウルフ様の問いかけの意味を私はこの後身を持って理解することになるのだった。