第3章 獣の王
「…」
ラウルフ様が私の心臓が有る辺りで手を止めて、じっとしている。私の鼓動を確かめているみたい。
「お前は不思議な奴だな。お前を見てると、護ってやりたい気持ちと…めちゃめちゃに食い散らかしてやりたい気持ちとが有る。何なんだろうな、この気持ちは?」
矛盾する気持ちに、こんなのは初めてだ、と困ったように眉間に皺を寄せるラウルフ様。私にもラウルフ様の気持ちは良くわからなくて首を傾げるしか出来なかった。
「でもよ、きっとお前を食ったらすげー美味い。堪らなく美味いと思う。だから食いたいけど、でも、食っちまったらお前は居なくなるだろ?…それは嫌だからな」
「んっ…」
ラウルフ様の大きな手が私の乳房をやわやわとゆっくり揉むように動き出した。そしてラウルフ様は私の脇に手を差し込むと持ち上げて、胡坐を組んだ上へと向かい合うようにして座らせた。
座ったら腿の辺りにラウルフ様の高ぶりがぶつかって、その硬さに息を飲んだ。
「あ、ラウルフ様の…硬くなってます…」
私は手を伸ばすと、その高ぶりを優しく撫でた。グルルとラウルフ様が喉を鳴らしたのに気付いて、もっと、と服の上から竿の部分を上下に指先で扱いてみた。
「しょーがねーだろ?見てるとこうなったんだよ」
ヌロっと舌が覗くと、それが私の胸を舐め回す。手で触られるのとは違う、ヌルヌルと温かくて柔らかな感触に乳首がジンと痺れる。
「お前だって硬くなってるじゃねーか」
「っ?!」
そう言って、ラウルフ様は舌先でコロコロと私の硬くなった乳首を転がした。
「っ、はぁ、あ…だって、それは、ラウルフ様が舐めるから…」
「気持ち良いんだろ?」
問われて私は恥ずかしさを堪えながら小さく頷いた。そんな私の反応を見ていたラウルフ様の尻尾が嬉しそうに揺れた。
「くっそ、たまんねー。食いたい…」
「きゃあ!」
ラウルフ様は私の背を支えながら、私を草の上へ押し倒した。そして覆いかぶさってニヤリと笑う。
「食っても、良いんだろう?」
ラウルフ様に食べられるのは嫌じゃない。でも、前の事を思い出して反射的に少しだけ体を固くしてしまった。ラウルフ様に気付かれなかっただろうか、私が嫌がっているとか思われていないだろうか。
「はい、私を食べて下さい…」
私はラウルフ様の目をしっかりと見詰めながらそう口にした。