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人外王の花嫁

第3章 獣の王


「すげー嬉しい…」

私を抱き締めながらラウルフ様が興奮気味に口にした。

「いや、そんな…に酷い事したのに、喜ぶのは駄目だろ俺。…でも、やべぇ、すげー嬉しい、何だこれ、くそっ…俺、何言ってんだ…」

「ラウルフ様?」

私の首元に顔を埋めるラウルフ様に戸惑いながらも、私はその柔らかな毛を撫でた。ラウルフ様は気持ち良さそうに喉を鳴らすと、鼻先で私の耳の下辺りを押しそこをペロリと舐めた。

「ンっ…」

擽ったさに小さく笑う。するとラウルフ様が何度も首元を舐めて来た。そしてその舌先が私の口元へと滑ると、私は口を開けてその舌を吸った。大きな舌は私の口には含む事が出来ないから、私はラウルフ様の舌を吸って自分の舌でペロペロと舐めてみた。

尻尾が嬉しそうにパタパタと揺れる。もっと深く口付けたいとラウルフ様が顔の角度を変えて、口を大きく開けた。
そのまま齧られてしまいそう。
でもラウルフ様は私の口内に舌の先を差し込むと、器用に先端を動かして口内を掻き回す。

「んむっ、ん、んっ」

口の中がラウルフ様の舌でいっぱいだ。必死で自分の舌を擦り付け、息苦しさに涙が滲んだ。

「ぷはっ、はぁ、はぁ…」

解放された時には息が上がっていた。そんな私を見てラウルフ様の瞳が熱っぽいものになる。

「、お前を抱きてぇ。ちゃんと、大事に…抱きたい…良いか?」

言われた言葉に頬が熱くなった。そして恥ずかしさに唇を噛みながらも私は頷いた。




「俺には婚約者が居たんだ」

ラウルフ様がゆっくりと私の服のボタンを外していく。

「気の合う妹みたいな奴でさ、小さい頃から良く面倒見てて、ここでも良く一緒に遊んだ…俺が護ってやらなきゃと思ってた」

肌蹴たブラウスの前からラウルフ様が大きな手を差し入れる。そして私の胸へと手を当てた。

「でもあの夜…泣きながら俺以外の奴に助けを求めたんだよ。あんなに俺が護ってやったのに、あんなに俺が大事にしてたのに…なのに、あいつは俺の事を怖がってた。俺、頭に血が上っちまってさ………気が付いたら、殺して食ってた」

シーザーから聞いたんだろ、と苦笑いを浮かべるラウルフ様に素直に頷いた。私はラウルフ様の首に手を回して抱き着く。フサフサで気持ちいい。

「私は、ラウルフ様に抱いて欲しいです」

ラウルフ様に分かって欲しくて強く抱き着いた。
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