第3章 獣の王
「フッ、フゥッ…」
「ひっ、ぃ、痛いよぉ…」
奥まで突き入れたラウルフ様が、私の腰を掴み捕らえたままブルブルッと心地好さに体を震わせた。私の腿が濡れているのは先程の無理矢理の挿入に切れたからだろう。
「ラウルフ様、おねがっ、抜いて下さッ?!」
中に入ったものが引かれた。私はこのまま抜いてくれるのだろうかと思ったのだけれど、それは抜けるぎりぎりまで来るとまた勢い良く奥まで侵入してきた。
「ひやぁぁ!」
そのまま乱暴に出し入れを開始する。私は無意識にシーツを掻いた。でも私を押さえつけるラウルフ様の力は強くて逃げられない。
「やぁっ、やあぁぁ!」
「フッ、グルル…」
がむしゃらに腰を打ち付けてくるラウルフ様の大きなものが容赦なく内壁を掻く。まるで玩具のように捕まえた私をガクガクと前後に揺らす。私はされるがままになるしかなかった。
「あっ、はぁ、や、ぁ…」
普段の彼と違う獣の息遣いが恐い。それでも私はラウルフ様が望むならと目を閉じて唇を噛んだ。大丈夫、さっきより痛みにも慣れて来た。
「んっ、ん…ラウルフ、さま…」
それに僅ながらも痛みだけではない何かを感じる。でもラウルフ様の容赦のない動きにその感覚を拾う前に苦痛が勝ってしまう。
早く、早く終わって…
ラウルフ様の動きが速くなった。
「あぅ、ぁぁ…」
尻を突き上げてただ堪える。
「ッ、グ、ガアァァァァ!」
ラウルフ様が大きく吠えた。すると彼の高ぶりから大量の熱いものが私の中へと注がれる。やっと終わったのだと思ったのだけれど、直ぐに違和感に気がついた。
ラウルフ様の射精が止まらないのだ。
「やぁ、お腹、お腹が…」
腹の中へと大量の精がたまる感覚に戸惑う。きっと普通より凄く量が多い。
「ラウルフ様、ラウルフさまっ」
「フゥーッ、フゥーッ」
彼は私を押さえ込んだまま動かない。初めての体験に不安で怖くて怖くて、私は何とか彼から逃げようと振り返って暴れた。
「離して!ラウルフ様、離してぇ!サナ!サナぁ!」
その時だった。ラウルフ様が大きな口を開けて迫ってきたのだ。
「きゃあぁぁぁ!」
そして私の頭を思いきり噛んだ。ラウルフ様の牙が私の瞳をブチュリと潰す。
あぁ、食べられちゃう…
意識が朦朧とする中、私はもう片方の目でサナとシーザーさんが部屋へと飛び込んで来るのを見たのだった。