第3章 獣の王
夕食も肉料理ばかりだった。それを口に押し込んで、ご馳走様をした。
そしてサナにお風呂に入れて貰って身仕度を整える。
「様の金色の髪は綺麗ですねぇ。獅子の者が時おり光の加減で金に見えることは有りますけど、様の髪は何時も輝いていますもの」
そんな髪を触れてサナは幸せです、と嬉しそうにサナが私の髪をすいてくれる。私は鏡越しにサナを見た。サナの毛の方がフサフサで触ったら気持ち良さそうなのに。
「私はサナの真っ白な毛の方が綺麗だと思います」
「もー、様はお優しいんですから!」
背中を叩かれて思わず噎せてしまった。慌てて謝るサナに笑って気にしないで下さいと告げる。
髪が整えられて、着替えた服は白い布一枚。キャミソールの様に紐で首もとをとめて、背中から腰にかけては布地は無く後は尻の辺りの布は少し長めでそれを巻いてまた紐でとめるだけの簡素なものだった。お尻もギリギリ隠れるくらいで、勿論下着は無い。
「様、頑張って下さいまし!」
ガンバです、と拳を握るサナに見送られて私はラウルフ様の扉の前に立った。緊張してきた。
「すーはー…」
何度か深呼吸をして、震える手を握った。大丈夫、アダマンド様の時にもやってたじゃない。怖がることなんて無いわ。
私は思いきって扉をノックした。
「おう、入れ」
「し、失礼します」
声が裏返ってしまった。恥ずかしい。でも私は気合いを入れ直すと、扉を開けて中へと入った。
「ラ、ラウルフ様、、ラウルフ様のお召しにより、参りました」
そう口にして頭を下げた。やった!今度は上手く言えた!
「遅い!」
「え、も、申し訳ございません」
急に怒られて体が跳ねた。そんなに待たせてしまったのだろうか。ラウルフ様が不機嫌そうにベッドに寝転がりながら自分の隣のスペースを叩く。
「来い」
「は、はい」
私はこれ以上待たせてはいけないと急いでラウルフ様の元へと急いだ。大きなベッドに上がり込んでそばへと這っていくと腕をとられて抱き込まれた。
「きゃあ!」
「ったく、早く寝ないと大きくなれないだろうが」
ぶつぶつと文句を言うラウルフ様が丸まった私を尻尾で包むと大きな欠伸をした。
「お休み、」
「は、はい、お休みなさいませ」
…………………………あれ?