第6章 蜥蜴の王
夢を見た。
雲一つ無い空の下。私が作ったお弁当を広げて泉の近くでピクニックをしてる夢。
そこにはカサドラさんが居て、私の作ったオニギリに齧り付いて米粒を口の端につけたままに大きな口を開けて楽しそうに笑っていた。
その回りには小さな蜥蜴の子供達が走り回っている。
遅れてやってきたキドラさんが、お菓子の差し入れを持って来て子供達が飛び跳ねて喜んだ。キドラさんに従って着いてきた蜥蜴の兵士さんは、子供達に遊んでくれとまとわりつかれて困っている。
笑い声が響いていた。
キドラさんも子供達も、蜥蜴の兵士さんもカサドラさんも、皆が楽しそうに笑っていた。
鱗に日の光が反射してキラキラと輝いていた。そして皆の笑顔もとても綺麗で輝いていた。
とても幸せな時間。
そんな夢を見た。
下腹部に違和感を感じて目を開けた。
「ぁ、な、に?…やだ、ぁ」
お腹の中に埋まっていた何かが、動く様なそんな感じ。私の様子に気付いたのか、机で仕事をしていたカサドラさんが手を止めてベッドへとやって来た。
「?」
「ぁ…」
中に埋まっていた何かが、段々と移動して下へと下がって来る。大きな何かが中を移動する苦しさに私は顔を歪めた。
「やぁっ、やッ」
私の中から何かが出て来る。そんな感覚が怖くてお腹に力を入れた。中から出ないように下腹部に力を込める。
そんな私に気付いたカサドラさんが私の手を握った。ベッドの脇に膝を付いて心配そうに私の顔を覗き込む。
「心配するな、大丈夫だ」
私は不安に涙目になりながら、カサドラさんの手を握り返した。その手を引き寄せて甲へカサドラさんが唇を押し付ける。
「足を開いて、ゆっくり…腹に力を込めろ」
「はっ、ぅ…」
私は言われた通りに足を開いて力を込めた。すると入口から白くて何か丸い物が覗いた。
「ぁ、怖い、こわっ…」
「大丈夫だ、大丈夫…」
カサドラさんの手が優しくお腹を撫でた。私は固く目を閉じて思い切りお腹に力を込めた。ゆっくりと何かが私の中から出て来る。
「もうちょっとだ、頑張れ!」
「うぐっ!」
ボコンと私の中から白くて丸い卵が吐き出された。それはカサドラさんの精液と共に私の中からゴロリと出て来た。
「はぁ、はぁ…」
異物を吐き出した解放感に肩で息をしていると、カサドラさんが歓喜に鳴き声を上げた。