第6章 蜥蜴の王
最近は体がとてもだるくて、一日中ベッドの上で生活していて疲れていないはずなのに眠気が襲って来る。
今日はとてもお天気が悪いらしく、時おり大きな雷の音がこの部屋まで響いていた。お部屋の前を護る蜥蜴の兵の人が凄い雨と雷だと話していたのを聞いた。
会議で遅くなると言っていたカサドラさんがお部屋に戻って来た。何時もは、入って来て私が起きていると、土産を持って来たと嬉しそうにベッドへと来てくれるカサドラさんが、今日は扉の前で佇んだままだった。
ただ、カサドラさんの服は雨で濡れたのかずぶ濡れで、立派な角からも雫が滴っていた。
「…カサドラさん?」
私は手の力で体を起こして、カサドラさんを見た。カサドラさんは俯き加減で立っているのでここからではどんな表情をしているのか見る事が出来ない。
「…カサドラ、さん?」
もう一度呼びかけてみても返事が無い。ただ、ブツブツとカサドラさんは何かを口にしていた。そしてゆっくりと近付いてくる。
「…いい、もう、良い…」
距離が近づいたので、カサドラさんの小さな呟きが耳に入った。
「もう良い、兄者には王座についてもらって…子供は俺の子供を兄者の子供にすれば良い…」
「カサドラさん?」
今日のカサドラさんは、特に覇気もなく疲れきっているように見えた。
「渡さねぇ…」
「っ?!」
カサドラさんが、突然私の肩を押してベッドへと縫い付けた。上から雫がポタポタと落ちて来る。私は見上げたカサドラさんの表情がとても厳しいものである事に気付いて体を強ばらせた。
「ぁ…ど、したん、ですか?カサドラ、さ…」
最近では治まっていた体の震えが、カサドラさんに与えられた恐怖や痛みを思い出して再び震え出す。カサドラさん、最近はとても優しかったのに何で?
「くそっ!お前は誰にも渡さねぇ!俺様のもんだ!」
「んうっ」
カサドラさんが私の唇に自分の唇を押し付けた。そして長い舌が私の唇を舐め上げると、抗議の声を上げようとした私の口へと侵入して来た。
「っ…」
「んっ、ぁ、やめっ…ッ」
巧みに私の舌を絡め取り、逃げる為に顔をそらそうとすると顎を掴まれ逃げない様に固定された。
「ふっ、ん…」
「はぁ…渡さねぇ、絶対に渡さねぇ…」
熱っぽく口にしたカサドラさんが、私の服を引き裂いた。そして乳房を掴むと、その先端を舌先でピチャピチャと舐め始めた。