第6章 蜥蜴の王
結合部から溢れた大量の精液が私の足を伝い落ちる。熱くて粘着質なそれは、私に絶望を与えた。
「っ、う、うぅ…」
薬で受精させると言っていたから、中に出された私はこのままキドラさんの子供を授かる事になるのだろうか。
アダマンド様やラウルフ様、キリヤ様にルナール様…皆の顔が浮かんで私は更に涙を流した。ごめんなさい、ごめんなさい…
「っぐ、ひっく…う、ぅ…」
涙が止まらない。でも、もしかしたら大丈夫かもしれない。早く中の物を掻き出して洗えば何とか…そんな僅かな希望に縋ってしまう。
キドラさんが体をブルリと震わせた。射精が終わったのだろうか。私は唯一動く頭を何とか動かして、早く解放して欲しくて背後を振り返った。
その時、私は見えた光景に体を強ばらせた。
射精の後に肩で息を付くキドラさん。ズルリと私から引き抜かれたキドラさんの大きなものが力無く垂れ下がっている。でも、その少し上の部分の皮膚がピクピクと小さく動いたかと思うと、そこがどんどんと盛り上がって性器の形を作った。
力無く下がるゴツゴツと岩のような出っ張りを持つ性器と、それと全く同じ形をしているのに力強く天を突いている性器。
並ぶ二つの性器に恐怖を感じて私は体を震わせた。
……あれは何?
キドラさんが私の腰をまた掴んだ。そして先程まで挿入していた私の入り口に、新しく生えた性器の先端を擦り付けてくる。
「グルル…」
キドラさんが喉を鳴らした。もしかして、またそれを私の中に入れようと言うのだろうか。
「や、やだ…キドラさん、もう止めて、下さい…」
そんな声は当然、届く事なんて無くてキドラさんは私を押さえ込むとその高ぶりを一気に挿入してきた。
「あぐっ!」
折れた骨が痛い。容赦無く突き上げられ、揺らされてガタガタと鳴る机。動けず、無防備に入り口だけ差し出した私はただの玩具になっていた。
折れた骨が中で何処かに刺さったのだろうか、呼吸もしづらくなっている。
力を込めれば大人しくなると気付いたキドラさんが遠慮なく押さえつけるものだから、今では腕も肩も足も骨を無くしたかのように痛みと共に力無く下がるだけになっていた。
注がれては抜かれ、また力を取り戻したもう一つの性器に犯される。何度も繰り返される行為の最後に、ボコンと大きな何かが私の腹の中に吐き出された。
私はそれを感じながら、とうとう意識を手放した。