第6章 蜥蜴の王
「ぁ…」
待って、置いていかないで。
ビリビリに破られた服は所々体に引っ掛かっているだけで、ほとんど裸と言っても良い状態だ。そんな格好で机に上半身を縛り付けられている。
本当なら、剥き出しのお尻を突き出した状態に羞恥が湧くはずなのに、今の私は中途半端な刺激で放り出された事の方が辛かった。
せっかく、イけそうだったのに…もう少しだったのに…苦しいよ…
「んっ、あ、ぁ…」
もう少し、触って貰えたらイけるのに。自分で触ろうとしても腕ごと縛り付けられてしまったので動く事も出来ない。宙ぶらりんの足を動かして、ただ膝を擦り合わせるだけ。
「ふっ、う、うぅ…」
苦しい、イきたい。誰か、触って。何処でも良いの、触って欲しい。ほんの少し、ほんの少しで良いから…
どれ位時間が経っただろう。凄く長い時間だったように思う。私はぐったりと机に頬を押し付けたまま、朦朧とした頭で扉を見つめていた。
ガチャリとノブが回る音がした。すると疲れた様子のキドラさんが扉を開けて入って来た。
「っ、この匂い…ッ」
スンと鼻を鳴らしたキドラさんが手で鼻を覆う。そして部屋を見回すと、机に縛られている私を見付けて驚いた様な表情を浮かべた。
「さん!?」
駆け寄って来たキドラさんが戸惑った様に私の顔を覗き込む。
「っ、ぁ…」
「さん、何で…っ」
眉を潜めて、奥歯を噛み締めたキドラさんが、カサドラ、とここに居ない人物の名前を怒りを込めて呼んだ。
「とにかく、何とかしないと…さん、直ぐに解きますからね?」
キドラさんが私を縛る紐へと手をかけた。でも、それは余程強く結ばれているのか、なかなか解く事が出来ないみたい。
「んっ、ん…」
「可哀想に、綺麗な肌が紐で擦り切れて…」
紐を解こうとキドラさんが引っ張ると、その紐が私の体を締め付ける。それが何とも言えずに気持ち良い。
「あっ、ん…」
「我慢して下さい…っく、硬い、ですね…」
グッグッと引っ張られて紐が動き肌を擦る。既に限界間近な体は少しの刺激でも過剰に感じてしまう。
「もう、少しッ」
「ひあっ!」
キドラさんが強く紐を引いた。その刺激に我慢が出来なかった私は、机の上でビクビクと震えて達してしまった。
その途端、私の奥から蜜が溢れ出す。
ブワリと雌の匂いが広がった。