第6章 蜥蜴の王
「お前の匂いは、すげー魅力的だ。現に王達もお前の匂いに参ってやがる」
舌先で胸の突起を転がしていたカサドラさんが下へと移動しお臍へと舌を這わせる。
感じたくないのに頭が回らなくなって、相手が誰で何をされているのかも分からなくなって来る。
「んっ…気持ち、い…」
堪らなく気持ち良い。朦朧とした意識の中で、私は素直に快感を口にした。
「特に初めてお前の香りを嗅いだら、狂う程に堪らなくなるらしいなぁ?」
ククッと喉を鳴らしたカサドラさんが私の足の合間へと指を滑らせた。
「あっ」
指先がクリトリスを掠めて、私は体を跳ねさせた。
「おっと、まだイくなよ?」
クリトリスに直接触れない様に、その周辺を指先で撫でて来る。
触って欲しい。もっと触ってこの熱を解放させて欲しい。
「お、ねが…触って…触っ、てぇ」
私は手を伸ばして首元に抱き着いた。欲しても与えられない快感がもどかしくて、堪らなくて…私は擦り寄りねだった。
「お願い、お、ねが…」
泣きそうになりながら、抱き着き快感を乞う。もう私にはしがみついている相手が誰かなんて分からなくなっていた。
私の中へと入り込んだ指は、ただ中を広げる為だけに動いている。もどかしい。そこじゃ無いの。私が感じる場所はそこじゃ無い。
私を抱いているのは誰?アダマンド様?ラウルフ様?キリヤ様?ルナール様?
四人の愛しい人達が思い浮かぶと、更に指の動きがもどかしく感じて私は唇を押し付けた。
「…き、好きっ、好き…です」
「っ!」
泣きながら必死で私の思いを伝える。好き、と繰り返しながら応えてくれない唇に何度も唇を押し当てた。
「好きなの、す、き…だ、から、だから…私を、イラナイって、言わな、で…」
涙を流して縋りついた。ふと、私の唇に舌が這った。舌は何かの粒を押し込んで来て、私は戸惑い無くそれを飲み込んだ。その後も優しく頭を撫でながら舌は私の口内を動き回り、激情を伝えて来る。
あぁ、やっぱり私を抱いていたのは愛しい王様。
それだけで私は達しそうになった。でも途端に王様の体が離れて指も引き抜かれてしまった。
「何、で…」
呆然としていると、ひっくり返して俯せにされた。そしてそのまま机へと体を縛り付けられる。
「くそっ!くそっ、くそっ!何なんだよ!」
王様は悔しそうに叫ぶとバタバタと忙しなく扉から出て行った。