第6章 蜥蜴の王
「…キドラさんの事が、好きなんですね」
「っ?!」
つい、気が緩んでしまった私は思った事を口にしてしまった。そんな私の言葉にカサドラさんの頬が赤く染まる。
「ば、馬鹿かお前!んな訳ねーだろーが!余計な事言ってんじゃねぇ!」
カサドラさんの尻尾が乱暴に床を打った。バシンと響いた音に私は体をびくつかせて口を閉じた。
「っ!」
「…随分と余裕だなぁ?熱を出したと聞いたから、今日は無理かとも思ったが…大丈夫そうだな」
「大丈夫って、何が…ッ」
ドクンと心臓が大きく鳴った。それは一度だけじゃなくて、ドクドクと脈打ち体を熱くして行く。この感覚には覚えがある。これはラウルフ様の精を注がれた時の感覚に似ている。
それに以前、ナグル様がルナール様をその気にさせる為に私に飲ませた薬の感じ…
もしかして、注射器の中に入っていたの…
「っ、び、やく…」
私の言葉にカサドラさんが口の端を引き上げた。
「そう、お前に打ったのは媚薬だ。直ぐに気持ち良くなる」
段々と体から力が抜けて行く。ぐったりとベッドに横たわる私をカサドラさんが担ぎ上げた。そして出口へと歩き出す。
「っ、ぁ…」
歩く度に体が揺れそれが私をジンジンと痺れさせ、もどかしい気持ちにさせる。
身じろいでも、媚薬のせいで力の入らない体ではろくな抵抗にならない。
私はもれそうになる声を唇を噛んで堪えた。
連れてこられたのはキドラさんの部屋だった。ノックも無く中へと入ったカサドラさんが乱暴に机の上の本やら書類を払い除けた。
今、部屋の中にキドラさんはいないみたい。バサバサと音を立てて落ちた本や紙の束を気にすること無く、カサドラさんは何も無くなった机に私を降ろした。
「んっ、はぁ…」
机の冷たい感触が火照った体に気持ち良い。カサドラさんは私を机に降ろすと、そのまま覆いかぶさった。
そして私の耳に舌を差し込み、ピチャピチャと音を立てて舐め始める。
「あっ、ん、やぁ…」
媚薬で感じやすくなった私は、その舌の感触に鳥肌が立つ程に感じてしまった。
その舌が首筋を這い、邪魔な寝間着がビリリと破かれる。そして舌が乳房へと移動すると既に硬くなった胸の突起を舐め転がした。そして下着も破られて服はみるも無惨にただの布切れになってしまった。
「今夜、お前には兄者の子を孕んでもらう」
カサドラさんがそう口にした。