第6章 蜥蜴の王
「うっ、はッ…止めっ…」
浴室へと連れて来られた私は、乱暴にカサドラさんに中へと引っ張りこまれた。そして先程から容赦無く頭の上から湯をかけられている。
頻りにかけられる湯から逃げようとすると、首輪を引っ張られて押さえつけられてしまう。
「っ、げほっ、息、出来なッ」
堪えずかけられる湯が鼻や口に入って来て、呼吸を妨げる。苦しさに音を上げそうになった時。やっと開放された。
「げほっ…っう…」
逃げない様に鎖を備え付けの金具にかけられ鍵をかけられてしまった。
「後は自分で洗え。しっかり、隅々まで洗えよ?他の王達の臭いを残すんじゃねーぞ?」
乱暴に背を押されて洗い場で立ち竦む。カサドラさんは鎖を繋いだ金具の横に設置された見張り用なのだろう、椅子へと腰掛けてこちらをじっと見ていた。
私はカサドラさんの鋭い視線を受けながら、洗い場の椅子へと腰掛けると体を洗い始めた。
今は大人しくしていよう。我慢しておけば、何時か皆さんが助けに来てくれる。
私はそんな希望を胸に、頑張ろうと自分へ言い聞かせた。
髪を洗い体を洗う。泡を流そうと湯をかけた時に、背後でギシリと音が鳴った。椅子から立ち上がったカサドラさんにビクンと体が強張る。
「もっとちゃんと洗えよ。兄者に汚いもんを触らせる気かよ?」
カサドラさんがこちらへと近付いてくる。私は視線を走らせて何処か逃げる場所が無いか探した。でも逃げるより早くカサドラさんが私の鎖を引っ張ったので、私は引っ張られるままにカサドラさんへと倒れてしまった。
「ちゃんと洗え。…面倒くせーな」
カサドラさんが座ると膝に私を抱えた。俯せでカサドラさんの膝に押さえ付けられて足をバタバタと動かす。
「は、離して下さい!」
「うるせー!」
吠えるように一喝されて唇を噛んだ。大人しくなった私を確認してから、カサドラさんが手を濡らしてその手に石鹸をつけた。そして私の腿へ触れたかと思ったら、そのまま割れ目へ手を這わせて来た。
「っ、やっ、やぁ!」
カサドラさんの手が石鹸の滑りを借りて、クリトリスからお尻までを何度も往復する。その力が強くて痛みに私は顔を歪めた。
「痛いッ、痛いです!」
「んだよ、こんなんで痛いのか?」
よえーな、と忌々しそうに呟いたカサドラさんの力が弱まった。そして何度も、まるで汚い物を清める様に手がそこを擦るのだった。