第5章 魔物の王
「ごめっ、なさ…僕、こんな事、言いたい、んじゃ、無くて…」
ポロポロと零れる透明の雫。私は起き上がると、俯くルナール様の顔を覗き込み頬へと手を添えた。そしてルナール様の顔を上げるように促すと、その潤んだ瞳をじっと見詰めた。
「を、責めたい、訳じゃ、無くて…でも、何だか、イライラして…どうすれば、良いか、分からなっ…」
ルナール様の素直な言葉に心が温かくなる。私はルナール様の手をギュッと握った。
「、僕の事、嫌い、なった?」
「ルナール様…」
不安そうに眉を顰め、じっと見詰めて来るルナール様。どう伝えればルナール様の気持ちが落ち着いてくれるだろうと考え、私が直ぐに答えられずにいると、その顔がクシャリと歪んだ。
「っ、お願っ、嫌いっ…ならな、で…僕の、事、嫌いに、ならないで…」
お願い、と涙を零すルナール様を慌てて抱き締めた。
「ルナール様、泣かないで下さい!ルナール様の事を嫌いになったりしませんから!」
「…っ、ほ、ほんと?」
「はい」
ルナール様の手が私の背中へおずおずと回される。そして安心した様に表情を緩めると、目を閉じて幸せそうに私を抱き締めた。
「嫌い、ならない?」
「なりませんよ」
「じゃあ、見せて…くれる?」
私は何を言われたのか分からずに首を傾げた。するとルナール様の手が腹部を這い、下腹部を撫でると私の股間へと下がって行く。
「…心配」
その動きと言葉に、カサドラさんに触れられた私の秘部を心配している事に気が付いた。とても恥ずかしいけれど、見せないとルナール様は納得しないだろうし…私はおずおずと頷いた。
ルナール様が私の肩を押してベッドヘッドのクッションへと優しく私を押し倒した。そして足を開くように膝へと手を添えられる。
ルナール様は私の足を開くと、白くて薄い布で覆われている私の秘部をじっと見詰めた。
「…この、中…」
指先で突かれて小さく震えた。チョンチョンと指先でつつかれ、首を傾げているルナール様の姿に唇を噛んだ。ルナール様はきっとエッチな事とか考えていないのだろう。
純粋に、私を心配してくれているんだ。でも、私はそのルナール様の指に、視線に、秘部から蜜が滲んでいないか不安で仕方が無かった。
ルナール様の指が下着の紐を摘む。そして紐を引っ張ると結び目が解けて私の秘部が露になった。