第5章 魔物の王
舌が器用に動き回る。クリトリスを執拗に嫐られ、割れた舌先で転がす様に舐められると嫌でも痺れたような甘い快感に体が震えた。
「っ、ふ、ぐ…」
もれそうになる声を必死で唇を噛み堪える。そんな私の抵抗を知って、愉快そうにカサドラさんが喉を鳴らした。
「ククッ…まだ抵抗してんのか?ここからは隠しきれねぇ匂いが溢れてるってのによ?」
感じてんだろ、と低い声で囁かれて私は頭を左右に振った。
「嘘をつくなっ!」
するとカサドラさんは笑って私の蜜をジュッと吸い上げた。
「っ?!」
激しい快感に体がビクビクと震える。
「…これがあの王達を虜にした香りと味か…悪くねーな…」
舌先が私のひだを掻き分けた。
「あ、うっ」
ズズッと舌が中へと入って来る。そしてその舌が私の膣の中まで舐め始めると、今にも達してしまいそうな強い刺激に眩暈を感じた。
「…美味いな…もっと感じろ、もっと蜜を出せ!」
「っ、く、ふ…」
既に下部は愛液で沢山濡れて、掻き回されるとグチュグチュと音を立てる程になっていた。私は床へ爪を立てて、意地でも達してなるものかと唇を噛んだ。
「うめぇ…頭が痺れるみたいだ…」
「ふっ、ふぐッ」
カサドラさんが私を更に深く咥え込んだ。するとズルルと舌が膣の奥へと潜り込んでくる。
「ひ、ぅッ」
私の奥を掻き回す細くて長い舌の先が、中で小さくチロチロと小刻みに動くとその感じた事が無い動きに体を強ばらせた。
「ほら、イけよ!俺様に舐められてイっちまえ!」
更に舌の動きが激しくなる。まるで挿入を思わせる舌の動き、膣内を動き回る舌は的確に私の感じるポイントを何度も舐め上げる。
「うっ、ぅ…」
涙を流して垂れる鼻水も気にせず、必死で我慢した。嫌だ、絶対にイきたくない!
「うっ、ぐっ、ふっ、うぇっ…」
私は泣きながら堪えた。目を閉じて額を床へと擦り付ける。床を掻いた指先は血が滲んでいた。それでも、何度も与えられる拷問の様な快感に限界が近くなる。体が小さく震える。
嫌だよ、助けて、誰か助けて!
私は心の中で必死に助けを求めた。
ドンドン、と激しいノックの音がした。それでも動きを止めないカサドラさんにもう一度扉が激しく叩かれる。
「ちっ、何だ!?」
とても不機嫌なカサドラさんに、扉の向こうの人が焦った声で「黒い海が…」と口にしたのだった。