第5章 魔物の王
冷たい舌が割れ目に添って何度も動く。強制的に与えられる甘い刺激が嫌で、私は足をバタつかせた。
「いやっ!離して下さい!」
でも私などの力ではカサドラさんの手を振り解く事は出来ない。足を更に広げられて、カサドラさんがもっとと口を開けて私の下部を咥え込む。抵抗に身を捩るとカサドラさんの牙が私の下腹部へと当たった。
口を閉じられたら、私はそのまま食べられてしまうのではないかと思う程に…とても怖かった。
「離しっ、て!」
それでも、私は必死で逃げようと体を揺らした。
「うるせーな…大人しくしてろ…」
「嫌です!離してっ…離して下さい!」
必死で足をバタつかせて体を捩り続ける。すると段々カサドラさんが苛立って来ているのが分かった。
「離してっ!」
「うるせーって言ってんだろーがっ!」
それでも私が抵抗を止めずに居ると、カサドラさんが怒りに顔を歪めて手を振り上げた。そしてその大きな拳が私の頬に振り下ろされる。ガツンと音がして、頭がクラクラした。遅れて燃える様な痛みと口の中に鉄の味が広がった。
「っぁ…」
「ちっ…人間は柔らかいから力加減が難しいな」
殴られた私の頬は腫れて赤くなっているに違い無い。私は与えられた痛みに呆然と涙を流した。
「お前が大人しくしねーから悪いんだ」
カサドラさんが私のシャツに爪をかける。そしてそれを引っ張るとシャツが下着ごと裂かれてしまった。露になった乳房をカサドラさんが容赦無く掴む。
「ひっ、い、たッ…」
もげてしまうのでは無いか、そのまま握り潰されてしまうのでは無いかと言う位の力にまた涙が零れる。いっそ、このまま殺されてしまった方が楽だろうか。このままカサドラさんの牙に私の腹を突き刺してしまえば…と想像して、キリヤ様に言われた事を思い出した。
─自分で自分を傷つける様な事はしないで
私はその言葉を思い出して体から力を抜いた。嫌だ、でも嫌なんですキリヤ様…
私がポロポロと涙を流していると、舌打ちの音が聞こえた。
「ちっ…」
そしてカサドラさんが私の体をひっくり返してうつ伏せにしてしまうと、今度はその体勢で私の下部を口へと含んだ。体半分が宙に浮いている無理な姿勢は息が苦しい。カサドラさんが先程よりも激しく、乱暴に私のクリトリスを舐め始めた。
「うっ、ふ…」
私は床に爪を立てて、せめての抵抗にと体を強ばらせた。