第5章 魔物の王
「お前、絵に描いた様な良い子ちゃんだな。それが本当のお前だとでも思ってんのか?」
「どう言うこと、ですか?」
探る様にじっと見詰められて戸惑った。カサドラさんの言っている事が分からない。私は私のはずだし、本当の私とか言われても…何を言っているのか分からないよ。
「ま、いーや。今日はそんな事言いに来たんじゃねーんだ…おい、お前等は外に出て見張りをしておけ。良いか、嗅ぐなよ?」
恭しく頭を下げて外へと出て行く蜥蜴族。パタンと音がして扉が閉じる。カサドラさんと二人きりになり、視線が重なるとカサドラさんがニヤリと口の端を上げた。
「さぁ、今から俺様がお前を気持ち良くしてやる」
縦型の瞳孔がキュッと絞られて更に細くなる。カサドラさんの口から先端が二つに別れた蛇のような舌がチロチロと覗いた。
「いたっ」
カサドラさんが私の手を拘束する鎖を引き上げる。すると私の足は宙へと浮いた。体重が手首を拘束する金具一点にかかって痛い。
片手でやすやすと私を引っ張りあ上げたカサドラさんの爪が私のスカートへとかかった。そして下へと爪を滑らせると、鋭い爪は私のスカートをやすやすと引き裂いた。
「っ?!」
パサリと床に落ちたスカートは、無残にも破かれて真っ二つになっていた。
「何を…するん、ですか?」
これからの事を想像して冷や汗が滲んだ。もしかしてあの爪で私も裂かれてしまうのではないだろうか。あんな鋭い爪なら、簡単に私の腹を裂けるに違いない。
「安心しろよ、殺したりしねーよ…今はな?」
紐を引っ張り、下着まで剥ぎ取ったカサドラさんが私を更に引き上げた。手が、痛い…。
ちょうどカサドラさんの顔の前に私の下腹部が有る。カサドラさんは私の腿と股間の隙間へと鼻先を押し付けた。
「やっ!」
「大人しくしてろよ、気持ち良くしてやるだけだって言ってんだろ?」
カサドラさんの舌がチロリと私の股間を舐め上げた。私はその舌の感触が気持ち悪くて、必死で体を捩るのだけれど、足が宙に浮いた状態ではまともに逃げる事も出来ない。
嫌だ、嫌だよ…
その合間にもカサドラさんの舌が私の割れ目をチロチロと舐め上げる。
「ちっ、やり難いな」
するとカサドラさんは天井で吊るされた私の鎖の留め具を外した。そして私を降ろすと、代わりに足を持ち上げて足を開かせた。
そして…愉しそうに顔を埋めたのだった。