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人外王の花嫁

第4章 虫の王


「ごめん、なさい…ごめんなさい…」

キリヤ様はきっと凄く傷ついたんだと思う。私だって、臭いって言われて笑われて凄く嫌だった。キリヤ様の事だから、きっとその女の人が暮らしやすいようにこの国を好きになってくれる様に色々と考えたに違いない。でもその思いは届かなかった。

素直じゃ無いけど優しい人。
そんな彼を酷く傷付けてしまった事を同じ人間として申し訳なく思った。

「…泣かないでよ。それにが悪い訳じゃ無いでしょ?」

何時の間にか流れた涙をキリヤ様の節ばった指が掬った。困った様に笑うキリヤ様が私を見詰めて眩しいものでも見る様に目を細める。

「は本当にお人好しだね。でも僕は…そんなお前を抱ける事に感謝してる」

キリヤ様の手が私の濡れた目元を拭って、頬を撫でてる。そして耳の後ろから首筋へと優しく手を滑らせた。

「本当に、僕が嫌じゃない?」

「はい、嫌じゃないです」

問いかけに私は笑って頷いて見せた。

「でも、は僕を嫌いって言った」

眉を潜めて口にするキリヤ様に私は目を瞬いた。そう言えば、キリヤ様に怒鳴って部屋を飛び出す前に言ったのを思い出した。

「…大嫌いって、言った」

「そ、それは…だって、キリヤ様が意地悪なことばかりする、から…」

「今は?」

「今は…その、嫌い…じゃ、無い、です…」

何と無く恥ずかしくなって顔が熱くなってしまった。それを見ていたキリヤ様の口元が意地悪く引き上がる。

「好き、じゃ無いんだ?」

「そ、れは…っ?!」

中のキリヤ様がズルリと動いた。大きく引かれて息を詰める。

「好きって言ってみなよ」

「あっ、やぁっ」

引かれた高ぶりをまた奥まで突き入れられた。中はキリヤ様の放った精液でグチャグチャに濡れていて、動かす度に結合部から白い液体が零れて尻を伝う。

「ほら、ほらっ、ッ、言いなってば」

粘着質なそれは掻き回されて泡立ち、抜き差しされる度にグチュグチュとより卑猥な音を響かせる。

「っあ、あ、ん」

珠が中でうねりながら膣璧を擦る。まるで私の中で虫が蠢いているような錯覚を受けてキリヤ様にしがみついた。

「キリヤ様、は、っ…ん、キリヤ様、は…」

傷ついたキリヤ様の心はきっと直ぐには癒せない。でもしっかりとキリヤ様にキリヤ様の素敵な所を伝えてあげたいと私は思った。
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