第4章 虫の王
抱き着いた私の髪を撫でながら、キリヤ様が安堵の息を付いた。
「…良かった」
呟いたキリヤ様の声が聞こえた。疲れてつい本音がもれたと言った感じのそれに返事をしてしまうと、きっとまた怒られてしまうから私は聞こえないふりをした。
「キリヤ様大丈夫ですか?」
「うん…多分ね」
優しく髪へと口付けてくれるキリヤ様。私はいつも通りのキリヤ様の姿に体から力を抜いた。
「ご無事で良かったです」
「…」
ふと、抱き合うキリヤ様と私のお腹の辺りで動くものに気付いてそちらに目を向けた。それはキリヤ様のもので、もどかし気にそこは熱を持ち蠢いていた。
「っ!?」
私は頬が熱くなるのを感じた。
「、恐い?」
困った様に苦笑いを浮かべるキリヤ様に私は頭を左右に振って見せた。
「僕のこれをの中に入れるんだよ?」
「はい、分かってます」
私は手を伸ばして、そっとキリヤ様のものに触れた。私が触ると小さく震えたキリヤ様。ゆっくりとその形を確かめる様に撫でる。これが私の中に入るんだ。不安は凄くある。でも、キリヤ様の人柄を知った今なら大丈夫だと思えた。
「キリヤ様のを、私に…下さい」
「っ、もう、知らないからね!?途中で、嫌だって泣いても止めてあげないから!」
頬を染めて私の肩をベッドに押さえ付けたキリヤ様。キリヤ様の嘘つき。きっと私が本気で泣いて嫌がったらキリヤ様は無理矢理になんてしない、そう思う。でもそんな素直じゃない嘘つきのキリヤ様が私は愛しいと思った。
キリヤ様の手で足を開かれた。彼の性器が私のお腹を撫でて足の合い間へと狙いを定める。
尖端の棘のように尖った部分が入り口へと触れた。蜂の針のように痛いのかと思ったけれど、それは意外と柔らかくて中が傷つく事は無さそうだとホッとした。
「大丈夫、ちゃんとの中を傷付けない様にするから」
不安そうな顔をしていたのに気付いたのか、キリヤ様が私の額に優しく口付けてくれた。
「良い?は僕の妃なんだからね。他の虫に目移りしたら許さないよ?」
その言葉がキリヤ様が私を妃として受け入れてくれると言う意味を持っている事に気付いて、とても嬉しかった。
「はい!」
私はキリヤ様にキスをした。
その途端、キリヤ様の熱が私の中へと突き刺さった。