第4章 虫の王
「あ、はぁ、ひぁ、ひっ…も、もぅ…」
私の体は度重なる快感の波に小さな痙攣を繰り返していた。既に膣から滲む蜜は尻を伝い垂れるほど、大量に溢れていた。
「んっ、んっ?もう何?」
濡れた唇を舐めながらキリヤ様が意地悪く問いかけてくる。イキリヤ様は私の言いたいことを分かっているはずなのに、イかせてくれない。でもねだる行為が恥ずかしくて、言えなくて唇を引き結ぶ。
「そう、答えないの」
「きゃあ!」
キリヤ様が舌を入り口へと差し入れた。そのままジュポジュポと音をさせながら出し入れしてもどかしい感覚に頭が真っ白になる。違うの、そこじゃないの。もっと、もっと強い刺激が欲しいの。
「うくっ、ひぅっ、かせて下さッ…イかせてぇ!」
「ふふっ、やっと言ったね」
とても満足そうに笑うと、キリヤ様は舌を引き抜き真っ赤に充血した私のクリトリスに強く吸い付いた。待ちわびた刺激にゾクゾクと背筋が震える。その波が大きくなって体をガクガクと震わせた。
「っ、っいッ!」
既に声を上げすぎた私は、声を枯らしながら背を反らし達した。待ちわびた快感に頭がクラクラする。凄く気持ちがいい。
「っ、ひ、はぁ、はっ…」
私はクッションに力無く体を投げ出した。
「はっ、はぁ、はッ」
荒い息を調える為に何度も息を吸い込む。だけど、動悸が激しすぎてなかなかに息が整わない。ふと、キリヤ様が静かな事に気が付いて視線をそちらへと向けた。
「っ……」
キリヤ様が自分の口と鼻を押さえて顔を反らしていた。もしかしてキリヤ様がさっき言ってた…
「キリヤ様?!」
私は慌てて体を起こすと、キリヤ様の顔を覗き込んだ。
「キリヤ様、キリヤ様大丈夫ですか?!」
「っ、く…」
キリヤ様が苦しそうに顔を歪めている。私はどうすれば良いか分からなくて、ただ名前を呼ぶ事しか出来ない。
「っ、はぁ、ヤバい…」
そう呟いたキリヤ様の瞳が黄色から仄かに赤く色付き、だんだんと濃い赤に染まって行く。
「くっ、そ…こんなに、匂いが…ッ」
必死で何かに堪えているキリヤ様に私は恐くなった。苦しそうなキリヤ様に助けを呼んだ方が良いのかと不安になる。
「キリヤ様苦しいんですか?!誰か助けを…っ」
徐ろにキリヤ様に肩を掴まれてベッドに押し倒された。
見上げたキリヤ様の瞳は血のように真っ赤に染まっていた。