第4章 虫の王
そっと足の間に手を入れた。中指で下から上へと触れてみると、お湯の中でもヌルリとした感触がした。
「あっ…」
指先が、小さな突起部分へと触れると体に痺れが走った様に気持ち良かった。そう言えばここを舌で頻りに舐められた事を思い出す。
「んっ、ふっ…」
人間の世界にいた時は淡白だと言われていて、友達が誰とエッチしたとかしたいとか…あまり興味が無かった。一人でこんな事をしても楽しいと思わなかったし、そんなに気持ちいいとも思わなかった。
でも、何だろう。今触れると凄く気持ち良くて…
「ふうっ、ぅ、ん…」
さっきキリヤ様がしてくれたみたいに胸の突起を摘んで転がす。すると下の痺れるような感覚と合わさって凄く気持ちいい。もうちょっとだけ、もうちょっとだけ…
私は湯船の縁に体を預け、体を丸めたままに快感を追い求めた。だから、キリヤ様が体や髪を洗い終えてこちらに歩いて来ている事に気が付かなかった。
「何してるの?」
「っ!?」
突然声をかけられて私の呼吸が一瞬止まった。呆然とキリヤ様を見上げると、さも楽しそうな笑みを浮かべたキリヤ様と目が合った。私は急いで手を離すと足を抱えて体を丸めた。
「ねぇ、何をしてたのさ?」
「そ、れは…」
恥ずかしい。見られた、見られてしまった。私は真っ赤になりながら零れそうになる涙を唇を噛んで堪えた。でも自分で自分の体を触ってたなんて言えない。だから私は誤魔化すことにした。
「別に、何も…」
私の言葉にキリヤ様の目が不機嫌そうに細くなった。
「そう、なら僕が確認してあげる」
「確認?」
ザブンと湯船に入ったキリヤ様は私の脇へ手を差し込むと、そのまま引き上げて風呂の縁へ私を座らせた。そして私の足を割ってそこに体を割り込ませると私を見上げてニヤリと笑ったのだ。