第4章 虫の王
「あ、あの、いいですから!私、自分で洗いますから!」
「煩いよ。オルガには洗わせたのに、僕には洗わせてはくれないわけ?」
「そ、そんな事は…」
なら良いでしょ、とキリヤ様は布を手に取ると備え付けのボディーソープで泡立て始めた。あ、キリヤ様の好きなチリの花の香りがする。
「ほら、ちゃんと前向いて」
「は、はい」
私は緊張に体を硬くして言われるままに真っ直ぐ前を向いた。オルガにも体を洗ってもらったけれど、それは本当に洗う為と言った感じだった。でもキリヤ様は私の筋肉のつき方や体の形を確かめる様にゆっくりと布を滑らせて行く。
背中から腰、お尻に触れた時は体が跳ねてしまった。それから肩、腕へと布が滑って行く。
「へぇ…こんなに、柔らかいんだ…」
柔らかいと言われて唇を引き結んだ。私の体って、やっぱりブヨブヨしてる?
「キリヤ様、わ、私の体、変じゃないですか?ブヨブヨしてて…その、気持ち悪く…無いですか?」
首元を洗ってくれていたキリヤ様の手が止まった。そして思い出した様に苦笑いを浮かべると、私のお腹へと手を滑らせた。
「そうだね、確かにの体は僕達虫人と比べると変わってる」
変わっている、と改めて言われてやっぱり落ち込んでしまう。
「でも、ブヨブヨで気持ち悪いって言うのは…間違いだね。のここはこんなに柔らかくて…気持ちいい」
「ひゃあ!?」
お腹を擦っていた布が胸の下へと移動した。そして持ち上げるように下から手を当てられて、頬が熱くなる。
「虫人の雌には無い触り心地だよ」
たぷたぷと上下に揺らされて、私は逃げる様に身を引いた。でも後ろにはキリヤ様が居て、胸元に背中をあずける様な格好になってしまった。
「……凄い気持ちいい」
「っ…」
何度も何度も揺らされて、それでも足りないのか手が布から離れて直接私の乳房に触れて来た。両手で脇から中央へ寄せられ、今度は円を描くように何度も揉まれた。
「っ、ゃ…」
段々と気持ち良くなって来ると、胸の先が尖ってキリヤ様の指の合間から顔を出す。それに気付いたキリヤ様が興味深そうにその突起を摘んだ。
「っあ!」
走った刺激にピクンと体を震わせる。これ以上刺激を与えられると困る、と荒い呼吸をつきながらキリヤ様に視線を向けると視線が絡んだ瞬間にキリヤ様のお顔が真っ赤に染まった。