第4章 虫の王
「っ、ふぅ、ふぅ…」
私は達しただるさに項垂れた。キリヤ様、本当にキリヤ様の命令なの?私が嫌な臭いがするから、私が嫌いだからこんな命令を出したのですか?
ポトポトと俯いた目から涙が落ちた。
ふと、やけに周囲が静かな事に気が付いた。私を見て笑っていた女の人の悪口も男の人の声も聞こえない。聞こえるのは、先程よりも大きくなった荒い息遣い。
私は顔を上げた。そして見えたものに息を止めた。
男の人達の目の色が変わっていた。真っ赤に染まった目の色、そして男達の様子がおかしい。肩で息を付く程の荒い呼吸、そして男の人たちの股間が…
「あぁ!何て良い匂いなんだ!」
「種付けを!」
「交尾を!!」
興奮した男達の下部が盛り上がっていた。もどかしげにずりおろされたズボンと下着。そこはただ皮膚が盛り上がって瘤が出来ているだけだった。
男達が近付いてくる。私は後ろに下がろうとして糸に捕らえられた自分には自由が無い事に気付いた。蜘蛛男が私の肩を掴む。
「種付けを…王妃様…」
メリメリと音がした。メリメリ、ミシミシと音がすると股間の盛り上がった部分に割れ目が入り、そこからズルリと何かが出てきた。クネクネと動く触手のようなそれは先が尖っていた。
見れば男の人達の股間から形は様々だけれど、同じようなものが生えていた。
それが虫人の、雄の性器なのだと理解して歯がカチカチと鳴った。
「種付けを、種付け…」
男達が先を争うように私へと手を伸ばす。でも宙にぶら下がる私を扱いづらいのか、引っ張り下ろそうと四苦八苦している。
蜘蛛男が糸を引いた。そして私の拘束を解くと自分の腕の中へと私を抱き込んだ。そして私の閉じた腿に性器を差し込み楽しんでいる。
「王妃様…今綺麗にして差し上げますからね」
私を押し倒した蜘蛛男が私の上にのしかかった。
キリヤ様、私はこの男の言う事を聞かないといけないのですか?言う事を聞いたらキリヤ様は私と仲良くしてくれるのですか?
でも…でも…
「さぁ、王妃様…」
男の性器が私の濡れた入り口へと触れた。
申し訳ございませんキリヤ様……
私は男の腰にさした剣を取ると、自分のお腹へと突き刺した。
私は王様のお嫁さんなのだもの、他の人に汚される位なら私は死んだ方が良い。
私は思い切り突き刺した剣を横へと動かした。