第3章 出会い ローside
「女、名前は」
『・・・・・・・・・・・・ふぇっ??!!』
なんなんだ、この女。
名前が“ふぇっ”なのか?
面白すぎだろう。
「くくくっ」
あ~、腹いてぇ。
何笑わせてくれてんだよ。
傷開いたじゃねぇか。
「名前だ。女。悪いがあまり喋れそうにない。」
『あっ、はい。私は松本燐那です。・・・あのぉ、喋れそうにないって・・・??』
この女、・・・もとい燐那とか言ったっけか。
最初は俺のこと無視しようとしてたのに、俺に興味持ってんのかよ。
まぁ、喋れそうにないと言われて理由を聞かねぇ奴も珍しいか。
「腹の傷が開いた。血がとまらねぇ。」
まぁ、嘘は言ってねぇよな。
止血はしてみたが、一向に血は止まらねぇ。
燐那は目を見開いている。
流石に衝撃的か?
しょうがねぇ。
言い直してやろう。
俺が口を開き始めた丁度その時。
俺は担がれた。
今日初めて会った女に。