第2章 出会い
『・・・・・・・・・・・・ふぇっ??!!』
突然の事で変な声をあげてしまった。男は何が可笑しいのか “くくく” と笑う。いや、私の反応が可笑しいのはわかってるけど・・・
「名前だ。女。悪いがあまり喋れそうにない。」
『あっ、はい。私は松本燐那です。・・・あのぉ、喋れそうにないって・・・??』
いつもなら、見ず知らずの人に興味を持つことはなかった。でも、流石に “バラす” なんて言われたら・・・ねぇ?
「腹の傷が開いた。血がとまらねぇ。」
えっ?
血?出血?傷?切った?
どうしよう。
なんて、考えてる暇ないや!!
考えるより先に体が動いた。男は嫌がる様子もなく、おとなしく私に担がれた。逆にそれが、傷の重みを私に伝えた。
「・・・おい。・・・・・・何の真似だ。」
ツラいのか、さっきより息があがっている。安心してもらう。・・・という訳ではないが、とりあえず説明をば
『傷の手当てをします。家はすぐそこなので、しばらく我慢してください。』