第7章 双子の1番小さな林檎飴 ーーホストナンバー4
[可愛いですね··! 僕、将来大人になったらお姉さん達と結婚したいな········。] [キャアアアアアアッッ!!]
奴のこの言葉だけで、周りの女の人が色めき立つ。
例えオレが命を賭けてまでするショーをやっても 全く興味を示さず、菜太郎だけを大事に、大事に連れて帰るんだろう。
取り残されたオレが泣こうとも殺されそうになっても奴が1番優先で、[助けて]なんて首に包丁突き付けられて言っても、誰1人見向きもしない。 そんなの当然。 必然。 当たり前。
何故なら 菜太郎より、一般人より、凄く出来が悪いのがこのオレ。
顔はコピーしたように同じ、だが身長は兄なのに弟の方が上。
っ笑っちゃうよな、中身で腐りきる程人生負け組なのに、見た目ーー身長でも負けてるんだぜ?
嫌になる、どころじゃねぇよ しかもそれだけじゃあない。
ソイツは性格が極悪非道そのもので、女の前だけ良い顔しやがる
だからオレは猫被りな双子の弟、菜太郎が大ッッッ嫌いなんだ。