第5章 冷えた氷は最初水 ーーホストナンバー3
[ 僕は··· くくしかいないから·······。
それと、一生くくの事苦しめ続けてあげるから、
僕の側にいるんだよ·······。 ]
僕はくくを抱き絞め、ボサボサの髪を優しく撫でた。
[キュートボーイッッッ!!! 素晴らしいYoぉッ!!!]
眼をギラギラと光らせるくくを見て、僕はフッ··と微笑んだ。 [そろそろ行かないと、あいつらに疑われる。]
起きて、ベッドから出た。
[くくはもう少しここで休むか。 じゃあ。]
僕はくくを残して、部屋から出ていった。
[放置プレイぃ良いいッッ!!!!]
バタン、とドアが閉まりその時僕は気づかなかった。
くくが大きな背中に、ムチを隠し持っていた事を···········。
歩きながら、僕は考えていた。
くくだけでも、救わなきゃ。 まずは、ここから。
だけど······
[ーー···を奪い盗るつもりでやりなさいよっ····!!!!]
あの人にも、何か···········。
僕は、その昔を思いだし 左目の瞼の傷の痛みに耐えながら
階段を降りた。