第16章 初デー..は、くるくると
[わ、わりいッッ、付き合わせて...!!]
[うっ、うん、だいじょぶ、全然っ!大丈夫!]
葉太郎くんが、バッと私に背を向けた。私たちが座っているテーブルの周りには、カップルがうじゃうじゃ..!
少し気まずい空間。
私は、さっき買ったチョコアイスを、場を保つ為に静かに頬張る。
うはぁ、どうしよう、ドウヂヨウ!男の子と2人でお出かけなんてしたことないし!!
家でゴロゴロしているであろう未来へ行くためにタイムスリップをこんなにも望んだことがかつてあっただろーか!?否ッ!
[ちょっと、何すんのよぅ..]
そのクスクスという笑い声が混じった声にハッッッと反応する!どうやら後ろのテーブルに座ってるカップルいちゃつき始めたようだ。
いぃいいいひええええええエエエエエエエエエエエエ!!!!
アイスが無くなった。いざとなったら液体をすすれっとアイスのカップの側面に描かれたファンシーなチンパンジーを凝視していたら、
[あのッッ!]
葉太郎くんが私にコエヲカケタと私は理解するやいなや、
[あっあー!!このアイス美味しゅうなあまた買ってこよっと!!]
と、ロケットの速さで前にある駄菓子屋さんに突入。
バタムスッと扉を閉めたところで、私は我にかえる。
私、なんてことを..
親切なおばあちゃんが大丈夫かい?と言って私を立たせてくれるまで後10秒。
[おばあちゃん、ありがとうございます..]
と、親切なおばあちゃんに、魂が抜けた顔をお見せしてしまったことを恥じる。
葉太郎くん、私と外歩くなんて今の私とおんなじくらい恥ずかしいだろうに..!!
グゥ〜。
ごめんなさいとお腹がなる音が重なった。
[もぅお〜っ、恥ずかしっ!!]
ガンガンと自分の膝に自分の頭をぶつけてたら、
[jk???]
え?
この、なんか変態っぽい声は、
[Oゥゥゥゥゥッッッ!!!ちょうど縛られたいとうおもってたところなんだよOオオオオオオ!!!]
くくさんだ ーーーーーーーーーーーーーー!
[ぎゃあああああ!!ぎゃああああああああ!!]
と、いつもの如く、私の太ももに自分の顔を当てようとするくくさんを避ける。
これで体育出たら、絶対選抜選手になれる。と、
ハッとした。
くくさん、あまりあの事気にしてない?