第15章 人生初の..デ、デ..?
[えええ!!そっちの"大丈夫"!?]
話し声からして、みみ達は、先生達にあえなく御用されたようだ。
とその時、
[ちょっとこっち来て]
[え]
グイッと腕を引っ張られ、私は人気のない方へ連れていかれた。
[ハァーっ、ホンッット、しつこかった。]
ーー菜太郎に。
[ちょ!!手、離して!]
急に走り出したもんで、私は心臓バクバクで息切れすっっごい。
[あいつら追いかけてくる。取り敢えずこの教室入るから。]
[エッまっ!!]
と、転びそうな私の体を、菜太郎がグイッと強引に教室に入れた。
ガラガラッ、バタン!
菜太郎が私の体を抱きしめたまま、息をひそめる。
[ちょっっっ!!!離れっ]
[ちょっと黙って。]
と、私の口は菜太郎の手によって塞がれた。
[!!]
さらに密着度が増してしまった。
[あれーー、菜太郎君いっなあーーい!!]
女子達の声が聞こえる。だけど、何を言っているのか分からなかった。
体温が上昇していくのがはっきりと分かる。
い、息髪にかかってるんだけど!!?ーー近いっっ!!
[やっとどっか行った..]
菜太郎がやっと、私から離れた。そして、私は菜太郎に背を背ける。
[何、]
ビクッと私は体を震わせる。
[静かになってるの。いつも五月蝿い人が]
キュッ、キュッと、菜太郎は靴を鳴らして私に近付く。
[っさい、さっさと出てってよ!]
と、咄嗟に私は菜太郎に言ってしまう。
[らしくない台詞。なんかおかしいよあんたーー]
菜太郎の手が、私の肩をトンと叩いた。反射的に、私は振り向く。
[ーーーっ]
ああもう恥ずかしい!!
私の顔は、熱が出たみたいに真っ赤。
もう、うつむくことしかできなかった。
視線をすごく感じる。
ふと、菜太郎の方を見たら、
[...あんた、ちゃんと女の顔出来るんだ]
菜太郎が、サラリと言った。
っっなーーーーーああああああああ!!!
[何故そんなこと言う!!]
と、私は急いで菜太郎から離れた。
[やっぱり意味不明、アンタ]
[ハァ!!?]
もはや照れ隠し以外の何者でもない雄叫びを私はあげる。
[ていうか!!いくらみみが性格悪いとはいえやり過ぎじゃないのありぁ!!]
[アンタ、何で顔赤いの?]
菜太郎が、ハァ?とでも言いそうな顔で私に質問を投げた。