第15章 人生初の..デ、デ..?
オレと服選びしに行かないか?山田はホスト用の服、ほら、
買ってねぇし。もしもし良かったら来週の休みにでも行かないか?
じじゃあな!
紙切れには、葉太郎君らしい、大きくて少し斜めになっている爽やかな字が書いてあった。
でも、
[もしとじが2つになってるよ葉太郎君!あ、これ何回も消して書いたんだあ、葉太郎君らしいや..]
なんか、この手紙を必死で書く葉太郎君が想像できて、不覚にもキュンとーー
[てエエエエエエ!?そ、そそそ、ソレってーー]
でデーーーーーー!?!?
ドッ!と心臓が跳ね上がった。そして美男子様様の視線を感じた。
[五月蝿い。耳障りなんだけど。]
菜太郎がさっきの甘くて優しい天使モードとは打って変わって大魔王。
はぁーあ、あのきれいな人にこっぴどくフラれて絶望すればいいのに☆
[何その顔。あんたは女じゃないの?]
ハァ!?[それって身長のことつっこんでいいってことなの菜太郎お!?] と私はその言葉に即刻キレる。
[明日調理実習あるけど料理全部焦がすなよ、おとこ女。]
ハッ、と菜太郎悪魔野郎が冷笑する。
[ハァ!?料理全部焦がすって決めつけんな非尋常味覚!!]
[まあまあ、やめなよ2人ともっ]
隼人さんの声にサッと頭が冷える。
[すっ、すみませんお騒がせして..]
[一応自覚はあるんだ。]
[ああ゛ん!?[まあまあっ、菜太郎っ!]
隼人さんが叱って下さったところで、
[......お疲.......れ.........明日...も........無....理...しない....で.......ね......]
スウさんは無表情で、包み込むように言った。
[あっ、スウさんもお疲れ様でした!]
[疲れた。隼人夜食作って]
[!もちろん!]
隼人さん嬉しそうだなあ..まさか2人にそんな接点が出来るとは!
[じゃあおやすみなさいー]
私はこの時気がつかなかった。
隼人さんと葉太郎君の、こっちをずっと見ている視線に。
ガチャンッ!
私は部屋のドアを閉め、鍵をかけ着替えてベッドにボフついた。
[なんか、今日は色々あったな..]
部屋に強引に入ってきたくくさんの無邪気な笑顔、そしてあの輝く
瞳がブワッと目の前に広がった。そして、ちょっとナゾの女の子もーー