第14章 夜のプリンセスの化身 ーーーーー全員
[..]
びゅおおおおおおーーー
風、もっと強くなりし。
なにか女の子の口が開いたのが視界に入ったが、すでに意識は自分の脳内に移ってエエエエエエいやまじか..
だってえホストじゃないけど女の人が絡む店員が男だと思ってたのが女だって、
..ましてはくくさんにキスされたって他のお客様にバラされたらーーー
[はあ?何アンタたいしてどころか可愛さのひとかけらもないくせになんなの?人生辞め]うわあああああああ!!やだなああああああああ!!ウイいいいいいいん!!!
[あの...?]
女の子の大き過ぎない可愛らしい瞳でハッ。
[くっ..くくさんとは何もありませんんん本当ですシンジテクダサイ]
と腰を90度曲げたら、
[ここまで来たらもう引き下がらない...!本当の事教えて下さい!]
女の子は高くて大人しい声をギラギラさせた。
[えええ]アセアセアワアワシドロモドロ。
ーーーいやでも、
と私は手汗でヌルヌルの手を握り締めた。
この子はさっきから私とくくさんが愛し合ってる事を望んでいるようだ。でも、女だって認めればあかん。アウトや。ならばーー
[..実は、私..]
ショートカットの女の子の、好奇心という宝石が劣る事を知らずに輝きを増している。
[男同士でくくさんと付き合っています!!]
!!
な、なあにい〜〜!?!
間違った!!色々間違ってるよ!誰がこんな嘘信じるよ!!!?
[...やっぱりそうなんですね!?]
え
[じゃあまた来ます!今度はノロケ聞かせて下さい...!あ黙っときますねこの事...!]
ショートカットの女の子は風の速さで消えた。きゃあ❤︎と悲鳴をあげながら。
..
色々解決してないけど、まあ、いいか。
考えが白けたその時、隼人さんのもう閉店だよっという声がして私は城のような家なのか分からない建物に入っていった。
[どうしたの?]
隼人さんが軽く心配して下さった。..くくさんはいない。大丈夫ですと答えたら、カサッ。
ん?なんかポケットに紙切れが。なんかデジャブーー
とおもむろに振り向いたら、
[今度こそ...みっ、見てくれッッ]
耳元にボソリと呟かれ、その人は部屋に去っていった。
葉太郎くんーーー?