第13章 熱出しプリンセス ―ー―ー―ホストナンバー4
チュンチュン。
[··。]
まるいち。いつの間に私は寝ていたらしい。
[·····。]
まるに。何故か私の部屋の床に、葉太郎くんがイビキをかかずに完全に熟睡して、無防備過ぎて眩しすぎる。
私はベッドからムクッと起きる。ウゥーンと腕を伸ばすと、ファサ··となにやら肩から布みたいなのが落ちた。
[····葉、葉太郎くんの上着······。]
まるさん。昨日葉太郎くんが着ていた上着をかけられている。
·······。
フワーアとアクビをして、[···ん??]
[おぉーい、葉太郎くん朝だよ···]
と声で起こしてみる。すると、
[はッッッッッッ!!!!]
と葉太郎くんがガバッと起きた。
[お、おはよう···学校。先に行くね]
と、勝手に開く自動式と勘違いして、ドアに顔面からドーン。
[オレッッ、山田のッッすっ、すまん何もやましい事]
と、葉太郎くんが土下座しているのに気付かず、私はフラフラと1階に降りようと階段に···その時、ツルッと足の指が滑ってゴロッゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ。
と、階段を体が丸まった状態で回って落ちていく。
寝ぼけているのか、何かすーんとしている。
[着いたよモクテキチ~]
展望台にいるように辺りを見まわすと、
[何してるのアンタ。]
と朝から嫌味な声。
[な、菜太郎く~ん···何かグラグラずる···]
と、葉太郎くんだか菜太郎くんだか顔がブレブレでよく分からない視界の中、
[山田ッッ!!]
声がした方にあふぇ~と振り向いた。ズビッと音がする。
[熱···なんじゃないが···??]
そこには、赤い顔をした葉太郎くん。
[えっ]
みるみる内に視界はクリアになる。
[葉太郎くん、大丈夫ズビッ]
ん?
菜太郎はそんなフワフワの私達を見て、面倒くさそうに、
[2人揃って熱?何体調崩してるのバカは風邪引かないって思ってた僕がバカだった]
と、おい菜たろ··と怒るパワーを失った葉太郎くんを見て、菜太郎は軽くため息をついた。
そして、どこから取り出したのかマスクを素早く装着する。
[絶対うつすなよ。]
と言って、菜太郎は去っていく。
その少し後に、くくさんが走ってくる。[おはアレJk顔えろ[らっ!]
舌が···。