第5章 少女の瞳に映る黒い影
その頃ジャック達は作戦を考えていた。一刻も早くエミリーを救出しなければならないが中々考えが浮かばない。それもそのはず行く当てもない場所をどう特定するかだった。その時ベンジャミンが口を開いた。
「そう言えばエミリーがこの間会ったじじいだかに化けてたとか言ってたような?」
「おっ!その話を詳しく聞かせてくれ。」
ジャックは熱心にベンジャミンの話を聞いた。
「エミリーが何で呼び出されたかって渡された鍵を返してほしかったからだろう?でもそれは罠だったんだ。」
「罠!?」
みんなが目を丸くして驚いた。
「そりゃそうだろう。エミリーが言うにはこの間会ったじじいとそのエミリーを連れ去った男が同一人物だって分かったのさ。彼は特殊メイクでじじいに化けていたらしい。」
「なるほどなあ。ってことはその特殊メイクのマスクをどこで手に入れたかによるなあ。」
ジャックは腕を組んで考えた。
「じゃあ俺特殊メイクが買えそうな場所を調べてくるよ。」
ノアがモニターの椅子に腰かけて言った。
「いつになくノアがやる気じゃんかよ。あんなにエミリーのこと嫌いだったくせに。」
メイソンがノアの頭をつついたのでノアは”やめろ”と一言だけ言った。
「ジャック、色んなお店が出てきました。」
「わかった!みんなで手分けして探そう。」
「やっと面白くなってきたじゃねえか。」
みんなは手を叩き合いそれぞれが分かれてお店を回ることにした。
しかしその男の特徴はほとんどわかっていない。でも特殊メイクなんてハロウィンで使うだけで買うお客なんて滅多にいないから絞りやすそうだ。みんなはやる気と根気に満ち溢れていた。