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サンロクゴ

第7章 7月【星降る夜、君とふたりぼっち】スラムダンク/三井寿










7月のあの星降る夜は、緊張に包まれていた白昼とは180度違う静かで幻想的な光景が広がっていた。


その中で、私はあなたとふたりぼっちの世界に浸っていた。
あの満天に降り注ぐ星空の下、あなたと2人きりが永遠に続けばいいのに。
そう思い目を輝かせていた。




けれどあなたは違った。
あなたの目には、私と、私の家族と、自分の家族と、あなたを取り巻くたくさんの人たちが映っていた。
無数に降り注ぐ星たちに、たくさんの人の幸せを願っていた。









あの時の「挫折」なくエースの道を歩み続けていれば、こんなにも「人思い」の三井はここにはいなかったのかもしれない。






弱虫で優しいあなたが、好き。









ノトは空を見つめた三井の肩を二度軽く叩く。
こちらを振り向いた三井の唇に、ノトは優しく切ないキスをした。








「勘違いしてるかもしんねーけど、俺が一番幸せにしたいのはお前だよ」





もう、何度重ねたか分からない唇をまた重ねた。

キスをした後、白く盛り上がり消えることのない彼の顎の傷にそっと触れるのがクセだった。












やっぱり今でも私は、あなたとふたりぼっちの時間が永遠に続けばいいのにと思っている。


勘違いしないで、唯一無二の家族を心の底から嫌いになんてなれっこない。
ただそれ以上に、あなたが好き過ぎるだけ。




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